梅雨入り前の煙突設置

瞑想の話ばかり投稿していたので、外の世界に帰ってからも工場で静かに自身の観察を行っているかと思ったのですが現実は真逆でして、お仕事をお休みしていた間のタスク処理に奔走してました。
天気予報では来週から2週間程度雨が続きそうなので、梅雨入り前の最後のチャンスを活用して煙突設置工事を実施。
工事の作業自体は毎回のルーティンワークなので特に強調する事は無いのだけど、その前段階に当たる設計こそが未経験の人とプロとの差が発生する部分であり大切なノウハウが詰まっていると今回の工事を振り返り改めて実感する。
薪ストーブの導入を考えた時に、知らない人がまず最初に驚くのが煙突の価格。単なる筒がなんでそんな値段なの?と疑問に思うのは仕方ありません。
では、コストを掛けずに導入しようと考えればどのような手法があるでしょう?
まずは全てシングル煙突で設置。
確かに値段はダントツに安い。 時計型ストーブとシングル煙突での運用で満足している人もいるし、私自身餅つきやお米を蒸す時に活用しているので便利なのはよくわかりますが、もしかして煙突火災が発生した場合家まで燃えてしまうリスクを承知しているなら後は個人の責任範囲なので何も言えません。
次は2重煙突の製作をDIY
実際に材料を手配して作ってみると、材料代=安い中国製の2重煙突 だと気づいたので作る事は無くなりました。 自分で作る事に意味を見出すことが出来る人はぜひ試してみる事をお勧めします。
その他色々な選択肢が有るけど、煙突の性能と価格は釣り合うようになっているので部品のラインナップも含めてメーカーを選ぶ必要が有ります。

今回はもともと縁側が有った場所にストーブを設置する案件だったので下屋にチムニーボックスを立ててもらい煙突を設置しました。
一見すると箱の高さが高くて煙突の飛び出し量が多い様に見えるけど全て意味が有ってこの形になっています。 まず最初に箱の位置はストーブの設置場所で決定されるので移動する事は出来ません。
風圧帯対策に煙突の高さは軒先から1M程度高くなるように設定。
箱が高いほど煙突の突き出し量が少なり強度が増すけれど、箱が高すぎると軒先と接触するので工務店さんが施工できる一番高い場所を箱の天井としました。
そして、野地板の1点で箱を支えると箱に揺れが発生するので、野地板と室内天井の2点で箱を保持する事により強度を確保。
箱貫通部分だけ防水板金を実施するのではなく、水上から軒先まで防水する事で将来に渡っての雨漏りリスクを回避。
その他防火対策や経年劣化を見越した部品選定など、未経験の人であれば意識が向かない場所に気を配って設計してます。

今回は軒先と箱の隙間から上半身を乗り出して大きなフラッシングを被せる事に難儀した以外は順調でした。 この作業だけは一人では厳しかったので、現場を管理している大工さんにお願いして部品手渡しをお手伝い頂きました。

何度も言うけど、薪ストーブの購入って煙突を買う事と同義だと思っているので最近は煙突施工が面白く感じる様になってきました。
舶来の輸入品を含め世間で販売されている製品に正しい煙突施工を行えば、商品の性能差をあまり感じないと言うのが私の感想。商品の差よりも薪の乾燥と太さの方が重要では無いかと思っているくらいなので、私の考える大切な事柄を順にまとめると
1)薪の乾燥
2)適切な煙突の設置
当たり前で派手さは無いけど、上記2点をしっかりと実行できれば満足のゆく薪ストーブライフを送る事が出来ると思ってます。