いざ、本当の全力テスト

すべての改善を終えた翌朝、最大火力がどのような感じなのか検証を兼ねた実験を行いました。
結論から言えば、狙った形で空気が流れ非常に良い成績を得る事が出来たので一安心。

開始1時間半もすれば表面が150度を超えており、以前のバージョンより1時間以上時短に成功しています。ではなぜ昇温時間を短縮する事が出来たのかと言うと、1時間あたりに燃焼出来る薪の量が増えたから。
では燃費が悪くなるのか?
そういう考え方もあるけど、蓄熱式で利用する場合長時間の連続燃焼は必要ではなく、素早く昇温しレンガへ蓄熱すれば後は炎が消えた後も放熱するから如何に早くレンガを暖めるのかがポイント。
内部構造も合理的な形状を何パターンも実験を重ねることで、一応の答えに到達しました。

とは言え、失敗したことも有りまして、サウナ利用を想定して開口部を作っていたのですが、手元が狂ってしまいロウリュウのお水を開口部の鉄板部分へ大量にこぼしてしまったのが原因で変形しちゃいました。
加熱された鉄板へ水を掛けると変形するのは自明なので理由は納得できるし、この経験を踏まえて改善を実施する事で2度と同じ間違いは起こさないでしょう。
今回試作しているISはサウナと、住居の両方で使用する事を想定しているので素早い昇温と蓄熱を兼ね備える事を考えて設計しています。 天板も含めて全てレンガで作ると蓄熱性能は上がるのだけどストーブから放熱が始まるのが遅いので素早い放熱を行う鉄部面積を調整する事で素早い発熱を促す。
工期や予算に余裕があればダウンドラフトやヒートベンチ、レンガの多層化など使用環境に応じたアレンジが可能となるけど、まず最初にシンプルだけどしっかりと昇温できるコアを実現する事が目的だったので、第一段階はクリアと判断です。
ロシアやフランスのサイトをめちゃくちゃ調べまくって、実際に蓄熱ストーブを構築している国内ビルダーとも情報交換する事で行きついた答えは、
シンプルイズベスト=ストロング
単純こそが最強だと言う誰もが知っているシンプルな答えに着地したのですが、技術者はシステムの冗長化が好きなので複雑な事を我慢する事が一番しんどかった。
あとは実験結果を踏まえて耐火レンガを追加で注文したり、温度が上がらない部分の目地材の選定などネットでは見つけることの出来ない技法を調べて実装する予定。