ヒミエルストーブ

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蓄熱ストーブの完成が近づく

 
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もう何回テストをしたのか忘れちゃったけど、やっと蓄熱ストーブの開発に目処が立ちました。

いやーここまでの道のりは長かった。

最初に作った試作品が理想とする燃焼の見本になるのだけど、比較するデータが無いので良かれと思い利便性を上げて行く過程で天板の温度が200度前後しか昇温しなくなってしまいました。

では、最初の仕様をベースに設計を行えばよいと思うじゃないですか?

そうすると利便性が犠牲になるので、どうしても製品に採用するには抵抗がありました。

この天板を使用すると、どんなに薪を追加しても天板の温度が200度までしか昇温せず大量の煙を排出してしまったのです。

では、何が原因で調子が悪くなってしまうのか?試作1号と部品の比較を行い、怪しいと考える部分の改良を行いテストを行うしか検証する方法は有りません。

でも、テストの度に鉄板を加工するのは非常に面倒なのでなるべく簡単な物から検証を続けてみるのですが問題の核心を射抜く事は出来ず、改良しないよりはましだけど根本的な解決には至らず、迷路をループで歩き回っている状態。

テストも鉄のストーブみたいに火を入れてから直ぐに結果が分かる性格のものでは無く、約2時間程度燃焼してやっと仮説が間違えている事に気付き、水を掛けて冷却を行い再度組みなおしてテストを再開するので1日なんてあっという間に過ぎ去ってしまいます。

もう考えられる原因を片っ端から改良→テストを繰り返し、もうここしか不具合の原因は残っていないだろうと確信をもって改良を行ってテストを行った結果、間違いだった時の落胆は筆舌に尽くしがたい。

この様な場合、自分の中では考えられる限りの原因を全てクリアしているつもりでも認知出来ていない部分に理由が潜んでいるのでガムシャラに突き進んでも良い結果には繋がりません。

こんな時は一旦諦めてしっかりと休むことも大切なので不本意な結果を受け入れて、納得がいかないままに家路についたのです。

しかし今回の私は幸運でした。

疲れた身体を休めるべく早々に就寝した翌朝のぼんやりとしている時にふと不具合解消のヒントが思い浮かんできたのです。

目覚めると忘れたらいけないので、スマホにメモを取り頭の中でシュミレーションを行うと理屈は確かに合っている。 あとは実証して確認するだけ。

結論から言えば、この思い付きが問題解決の糸口になり天板の温度が上がらない、煙が沢山発生するなどの複合的な問題は解決する事ができました。

いやー3週間以上悩んでいた問題を解決する事が出来て嬉しい。

改良前は200度程度しか昇温しなかった天板が、今は薪を沢山追加して炎を大きくすると500度くらいまで暖まる様になっただけでなく、煙の発生量も激減したので不具合の核心を除去できたと判断。

新規開発を行っていると、利便性を上げるために機能が低下する事が多々あるので原因を探し対策を考える事が大切なのは誰もが知っているのだけど実際に行動を起こせる人は少ない。

答えの無い問いに対して考えて実行するプロセスが時間も費用も浪費するばかりでなく、その多くは無駄になってしまうので行動しないと言うのは合理的な判断かも?

しかし、ヒミエルストーブの開発でも同じように散々失敗した経験が今回はとても役に立ち、以外に早く問題解決期間を抜ける事が出来たのは過去の経験値が役に立っている証拠だと思っています。

この問題の理由を見つける能力って頭で考えるのではなく、思いつく力が必要なのでどうやったら身に付くのか分からないけど有難いことに私の場合、課題を考え抜いて一旦忘れ暫く放置するとふとした時にアイデアが浮かんでくるのが不思議。

およそのテスト項目は終了したので、展示品製作に向けて図面を書いて次のステップに進めるのが嬉しい。

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