ヒミエルストーブ

 メルマガ登録はこちら

数値で燃焼状態を判断

 
この記事を書いている人 - WRITER -

今回の燃焼テストでは、前回使用した流量計に加えて負圧計も接続し、燃焼状態での数値変化をモニターできるように準備しました。

個人的な感想として、薪ストーブは燃料のバラツキが大きい暖房器具なので、暖かさの振れ幅が非常に大きく、個人の主観や設置する住居の気密断熱性能によって評価が大きく分かれる製品だと思っています。

最近では、アウトドアブームや電気代の高騰などの理由から、薪ストーブを取り扱う業者が増え、製品の選択肢も多様化しています。その中で、一般の人にとってはどの基準で製品を選べば良いのか分かりにくい状況になっています。私の主張は現在、「バランスを考えた設置」が最も重要だと考えています。

一言でバランスと言っても、何を指すのか言葉の幅が広くて不明瞭です。詳しく説明すると、煙突と本体を含めた総合的な出力を考慮して設計することが何よりも大切です。

また、炎を目視するだけでは燃焼状態を具体的に判断することはできません。そのため、各種計器を取り付けて数値を記録していきます。

単に1つのデータを読んだだけでは何の意味も生まれません。条件を変えてデータを比較することで、条件がもたらす意味を読み解くヒントを得ることができます。このような表面には現れない地味な検証は、製品開発に非常に重要だと私は思っています。

これは私のストーブに関する話だけでなく、薪ストーブという暖房器具は、暖まった上昇気流を利用して吸気を行う超アナログな製品なので、物理法則から逃れることはできません。

今回は初めてシングル煙突を接続して燃焼テストを行いましたが、そこから得られた知見は今後の設計思想に大きな影響を与えてくれました。

もし今後、予算や設置場所に制約がある中で薪ストーブを考えているお客様から相談を受けた場合、煙突への予算を第一に考え、その後の状況を見ながら本体を選ぶことが最も合理的だと考えています。

その煙突に合わせて自作のクリーンバーンを使用する場合、本体内部に耐火レンガやキャストブルを収納して多くの熱をため込み、バッフルの形状を若干排気が滞留する形にして、吸気は巡行運転でちょうどバランスする開口とすれば、良い感じに燃焼すると思います。市販品もそのような設計思想で製造されているため、私の考えに間違いはないでしょう。

どんなに本体を作り込んでも、性能を発揮できる状態にならなければ全く意味を成しません。それは場数を踏んだ経験から導かれるソフトの価値ですので、プロに相談していただければ良いかと思います。

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Copyright© himiel stove , 2023 All Rights Reserved.