半年ぶりの家族版 本格サウナ体験会
週末に家族で約半年ぶりとなる蓄熱サウナ体験会を開催した。
前回はまだ寒さが残る春先に、イベントで使用するワンタッチテントを立てて工場の外に耐火レンガを空積みしたオリジナル蓄熱ストーブを置いて2時間ちょっと火を焚き、温まったらフォークリフトで工場の中に入れて楽しむスタイル。
今振り返ってもモバイル性抜群で、イベントなどのポップアッププロモーションなどには十分面白いコンテンツだと思うし、そこから美山のサウナ構築イベントに繋がって行ったので感慨深い。
しかし、今回は前回とは全くの別物。

まずは酷暑の真夏にお客様とお話しできる展示スペースを作った。
いつもは商談スペースとして利用を行い、サウナ利用をするときは床面を上げてサウナシフトで運用します。
せっかく薪を燃やして発生した熱が逃げないよう、全ての壁面だけでなく天井も断熱を入れたし隙間はサーモカメラを使用して観察を行い発泡ウレタンで塞いだのでテントとは比べ物にならないくらい保温性が高くなりました。
また、ロウリュウの蒸気は天井付近に滞留するのでストーブの天板の高さがちょうど人の歩く床面になるようにセット。
テント構造と木造部屋。
蓄熱の維持や熱の逃げ方など違いを比較するには最高の環境が整った事に違いない。
ただ一つ懸念があるとすれば、サウナに強い興味がある訳ではない私の家族が評価すると言う点が気になる。
テント時代と決定的に違ったもの

テントは軽くて気密もゼロに等しく、あっという間に外気温度に近づいてゆく。
暖まった蓄熱ストーブをテントに入れても、強い上昇気流で暖気が排出され足元から冷たい冷気を吸い込むので長時間の温浴を楽しむのは正直厳しい。
しかし、蓄熱の輻射熱を手軽に楽しめる機動力が大きな魅力なのでその性格を理解すれば利用価値は無限大。
しかし、今回のDIYサウナルームは全く違う。
いや、違ってくれなきゃ困ると言うのが正解かな。
お部屋全体に暖気が行き渡り、ストーブの天板を開放してロウリュウを行えば心地の良い蒸気が部屋の天井を駆け抜けます。
写真の通りストーブ本体は耐火レンガであり、本体に蓄熱した熱だけで暖房を行うから鉄板の様に突き刺すような強烈な輻射熱とは異なる心地よい温浴環境が最高。
そして火を消して2時間、幾度となくロウリュウを行いながらサウナを十分楽しんでファミリーサウナ会は無事に終了しました。

今回は畑で育てていたレモングラスを煮出して、ハーブロウリュウを行いたかったので石油ストーブをお部屋に追加してストーブでハーブを煮出しながら石にハーブ水を掛ける作戦を採用。
先に述べましたが、ストーブは火を消して中の炭も取り出すからサウナ体験中ハーブ水を煮出そうと思うとどうしても何らかの熱源が必要になるので試してみたところ、かなりいい感じにお部屋を暖めてくれる&しっかりと煮出せるので次回も使って見る事にします。
火が落ちても温度が落ちない不思議
今回の実験で一番驚いたのが「サウナを終えた後の安定感」だった。
ロウリュウを何回も行ったので一番冷めた石は90℃まで温度が低下しているし、本体側面も120℃まで冷めているのにランチの後部屋に入ると暑いくらいだったので温度計を確認すると40℃でした。
サウナに入り、BBQを楽しんだ後は自然と眠たくなるのでお昼寝しようかと思ったのですが暑すぎるのでドアと窓を開けて換気を行って丁度良い気温に。
それでも寒さを感じる事は無くて、例えるなら部屋全体がお日様の暖かさに包まれているような環境でした。
これこそが蓄熱式ストーブの最大の魅力である。

中に水を掛けてサウナ利用を行い、お昼寝の時は窓を開けて換気しても消火後6時間でこの表面温度を維持。 今回はサウナ利用を前提としたチューニングなので暖房利用の仕様を施せばさらに長時間の暖房が可能・

薪を投入しなくてもしばらくこの温度を維持するし、温度変化が非常に緩やかなのでとても快適。
まとめ
今回の体験を通じてはっきりしたことがある。
まず第一に、蓄熱は気密が低い場所だけだなくしっかりと断熱された場所では驚くほど本体の保温を維持できる。
そして、サウナ利用と暖房利用では求めるチューニングが全然異なるのでその辺りの理屈を理解して施工しないと望む環境を得る事が難しい。
そして、お部屋とストーブのバランスを良い感じで組み上げる事が出来れば非常に快適な空間を作る事が可能になると。
サウナにさほど興味を持っている訳ではない家族の感想は一言「テントと全然違って良いよ!」だったのでひとまず初め抱いた目標はクリアできました。
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