今シーズンはじっくりテストを行いながら不具合を検出している段階なのでHPに販売開始のご案内を行っていないのですが、何件かお問い合わせやご相談を頂いております。
ご質問内容は室内暖房用途とサウナ向けではチューニングが異なるので今回はサウナ向けのトピックに絞って話を書きたい。
プロに相談するメリットとデメリット
もしかして蓄熱式ストーブをサウナ向けに利用しようと考えているなら、まずは空積みで実験してみる事を強くお勧めします。もうそれしか正解が無いと思ってます。
蓄熱式ってスチールの連続燃焼できるストーブと特性が全く異なるので、いくら言葉で作り出せる環境を聞いたり読んだりしても必ず現実とのズレが生じるからテストを行いながら進む方向性を確認して行く作業が遠回りなようで一番近道。
そんなこと言う私にどれだけの経験が有るのかと言えば、胸を張って断言できる場数を踏んだわけでは無いけれどそれこそ失敗や思い悩む経験を積んできたので、それを避ける方策は身についている。
そして、昔の私が勘違いしていた事なのだが暖房用に求められる仕様とサウナ用とは大きく異なるので暖房用途の設計でサウナストーブを作ると欲しい形とズレてしまう可能性が高い。
なのでその辺りの経験を実装できる知識こそプロに頼むメリットかと思ってます。
本当に抑えるべきポイントが幾つかあって、欲しい性能からパズルのように完成形を導く必要があり、全くの未経験者がいきなり正解に到達するのは不可能では無いけどかなり困難なのは間違いない。
しかし、その為には導入コストが必要になってくる。
依頼する事による責任範囲の明確化
そして施工を業者に委託すれば責任の所在を明確化出来る事もメリットに挙げられる。
DIYは自由だし、コストも削減できるのでバラ色の選択なのは事実だしその行動力は非常に大切。
しかしその為には
燃焼が不安定でも 誰にも文句は言えない
レンガが割れても 設計ミスは自分の責任
排気が逆流しても 検証不足は自分の責任
客が火傷しても 製作者=運営者=責任者
行政・保険・消防から指摘が入っても 説明責任はすべて自分つまり
「作った人」と「責任を負う人」が完全に一致する。
悪いことでは無いが覚悟が必要。
一方で製品として提供されるストーブはこうなる
想定運用・限界条件が定義されている
トラブル時に「ここまでは設計側の責任」「ここからは運用側」という線が引ける
重要なのはここだ。
責任が「分担」される。
製作者は「構造と思想」に責任を持つ
運営者は「使い方と管理」に責任を持つ
この線引きがあるから、
長期運用ができる
改修・相談が成立する
商業施設としての運営に専念できる
なのでもしかして蓄熱ストーブのサウナ施設を運営するのであれば
「熱を作り出す責任を、どこまで自分で引き受けるのか」と言うポイントを明確にすれば判断の基準が分かりやすいと思う。
もしかしてDIYで施工するのであれば、まず最初に安全の確保を主軸にプランを組み立てることをお勧めします。
薪を熱源とする燃焼機器を使用するにあたり防火対策の視点を失念している場合が多いと感じる。
薪ストーブのメーカーを10年以上継続し、薪がしっかり燃焼する事以上に防火対策に注意してきた私の視点からサウナストーブの設置環境を見るとちょっと怖いと感じる施設が有るのも事実。
事故が発生していないから問題が無いのではなく、発生する根本的な原因を予見して対策を提案が出来るのが自分の考える強み。防火対策にはお作法が有りそれを個別の現場へフィットするのは経験が有った方が有利なのは自明。
もし今、DIYかプロ依頼かで迷っているなら、まず“自分は何に責任を持てるのか”を紙に書き出してみてほしい。
その答え次第で、選ぶ道は自然に決まる。

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