蓄熱ストーブに搭載する石の選定に関する疑問、何を選ぶのが正解なのか?答え合わせをずっと後回しにしていた。
今回、昨シーズン納入した客先からのフィードバックを受けてようやく本腰を入れることにした。
見栄えで選んだ石が、1年で割れた
蓄熱ストーブICの熱交換部には石を搭載している。導入当初、私はホームセンター・コメリで販売されている白い庭石を選んだ。理由は視覚的な色合いが良かったからだ。
それが1年後、客先からこんな報告が届いた。「石が熱で割れることが多い」と。
原因は石の種類にあった。コメリで販売されている白い石は石灰岩だ。石灰岩は熱膨張に弱く、高温にさらされると内部から爆ぜて割れてしまう性質を持つ。薪ストーブの燃焼サイクルで繰り返される加熱と冷却は、石灰岩には過酷すぎる環境だった。白という色合いが視覚的に良いと思って選んだのだが、石灰岩が熱のかかる用途に向いていないことを、今回初めて知った。見栄えより先に素材特性を調べるべきだった。
なお、この客先のストーブは石の網の初期不良も重なっていたため、いったん工場に引き取って対策を施し、再納品することになった。その間に、正しい蓄熱材を探すことにした。
AIに聞いても、実態は別の話

石の選定にあたって3つのAIにも質問してみた。回答は正確だった。ただ、情報として正しいことと、実際の現場で通用するかは別の話だ。
そこで、造園業を営む薪ストーブのお客様に石材商を紹介していただき、直接話を聞きに行くことに。
石材商で教えてもらったのは、石焼き芋に使われている石が花崗岩だということだ。
花崗岩は高温での急加熱を繰り返すと割れることがある。しかし蓄熱材としての用途、つまり比較的緩やかな温度上昇と保温のサイクルであれば、温度レンジとして十分耐えられるという話だった。石焼き芋は実際に火の中で何度も加熱・冷却を繰り返す。その用途で長年使われてきた実績は、私にとって信頼できる根拠になった。
今回はこの花崗岩を蓄熱材として採用し、客先への再納品に踏み切ることにした。
ついでに、サウナ用の石も調べた(現時点では仮説)
せっかく石のプロのところへ行ったので、サウナ用の石についても質問してみた。
ただし石材商の専門は造園と建築向けの石材であり、サウナの温度環境に耐えられる石の知識は持ち合わせていないとのことだった。「輸入元や商社に問い合わせて調べておきます」という回答をいただいた。
今回は、AIが提示したサウナ用石材の候補をサンプルとして20kg購入した。自社の蓄熱ストーブで実際に加熱し、割れるかどうかを検証する予定だ。これはあくまで現時点での仮説であり、結果が出た段階で改めて報告する。
現場と専門家と自分の検証、この三つが揃って初めて判断できる
今回の一連の流れで改めて感じたのは、素材の選定は机上だけでは終わらないということだ。
AIの情報、石材商の現場知識、そして自社での実測。この三つが揃って初めて「これで納品できる」という判断ができる。見栄えで選んだ最初の失敗は、検証を省いたことが原因だった。コストや見た目より先に、用途に対する耐久性を確認する。この順番を今後も守っていく。
そして、来週千葉県へICの入れ替え工事に出かける予定を組んでいるので出発前に最適な石を購入する事が出来たのは非常に幸運。
一見トラブルを抱えているように見えてもなぜか不思議な運に助けられることが多い。

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