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薪ストーブの低温火災対策

 
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薪ストーブの火災対策は導入時と運用時の2段構えだと思います。

今回は導入時に考える必要のある、低温火災対策についてお話しします。

薪ストーブでの低温火災

Photo credit: dphiffer via Visual Hunt / CC BY

Photo credit: dphiffer via Visual Hunt / CC BY

写真のように、ストーブの設置場所に重厚な炉台とレンガ作りの炉壁があると見栄えが良くなって格好いいですよね。

けれども、薪ストーブから発せられる強烈な輻射熱(電磁波)は

薪ストーブを中心に直線的に進み、距離の2乗で減って行きます。

離れた場所では日だまりの様なポカポカした暖かさを感じる熱気も、近くだと灼熱だと言う事もあり得るのです。

モデルによっては2重構造になって、ファンヒーターの様に空気を暖めて対流する物もあるのでケースバイケースですが

一般論で例えるならば、輻射熱とは強烈な白熱灯が光を放って居るとイメージすると分かりやすいかと思います。

まっすぐ進み、何らかの壁で遮るとそれ以上は進みません。

そして、写真のような炉台の躯体が木造だと内部はこんな感じになっています。

この状態で恐ろしいのは、レンガに蓄熱した輻射熱が下地木材の低温火災を引き起こす可能性があります。

低温火災とは

熱源からの熱が木材に与えられ、始めは木材の水分などが蒸発し、木材が多孔質化してゆきます。多孔質化した木材は断熱性が良く、熱が逃げにくい材料になってゆきます。その結果、低い温度100~150℃(この温度より低い温度でも周りの状況によっては)で加熱されても木材内部で蓄熱が起こり、ついには引火温度や発火温度にまで達して燃え出すことになります。このような現象を低温発火といいます

消防庁消防大学校「低温火災とは」より引用

100度以下の低温でも長時間熱にさらされる事により、木材が蓄熱して火災が発生すると言う事です。

防火対策

可燃物と遮熱壁との間に断熱槽を設けることが必要です。

最も簡単なのが25mm以上の空気層を設けることです。

空気の対流による放熱と、レンガから発生する減衰された輻射で木材の下地が蓄熱する事を防ぎます。

ポイントは

ストーブからの輻射熱を遮って、空気層を設ける。 

必要なポイントはこれだけなので、レンガでなくても、鋼板やケイカル板で遮熱してあげれば十分機能は果たします。

薪ストーブを中心に360度輻射熱が放出されるので、背面だけで無く底面にも空気層を設ける事が望ましいです。

ストーブ設置に関して法令で離隔距離の基準があるのでこちらを参考にして下さい

準不燃材料でした内装の仕上げに準ずる仕上げに関する告示

私が作った薪ストーブは、底面は2重構造として吸気で空冷を行い、側面には遮熱板を取り付けていますが

設置に際しては本体底面と背面に遮熱板を設置した上に鋼板製の遮熱板を設置しました。

特に、壁が漆喰だと熱による乾燥でヒビがはっせいする可能性があるので、遮熱板の高さもしっかりと基準通りに作りました

煙突もストーブ出口から2重煙突なので、煙突からの放熱も押さえています。

 

 

まとめ

薪ストーブは設置を考える段階で低温火災対策を考慮すべきかと思います。

遮熱壁で蓄熱の役割を考えるのであれば、建物が不燃材で無ければ離隔すべきだと思います。

熱による反り返りの見栄えを気にしないので有れば、

ホームセンターで販売している波板やガルバ鋼板でも十分機能は果たすと思います

 

 

 

 

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