プロのデザインで作ったロケットストーブ
へんな自意識は一旦脇に置いて、人のアドバイスを素直に試して見る事も大切だと思う。
一番最初に作った薪ストーブは、デザインなんかさっぱり分からないので手元にあった海外のストーブを参考に・・・雰囲気だけ完パクしました。
薪ストーブの機能と見た目の両立って思っていたほど簡単では無かったです。
ラッキーな事に、私にはデザインを仕事にしている友人が何人かいて、工場に遊びに来るついでに、雑談の中で気を付けるべきポイントをレクチャーしてくれます。
彼に指摘されるまで、機能さえ果たせば見た目は二の次で、早く簡単につくる事ばかり考えていたと思います。
そんな私の考えが制作物へストレートに表れるのか、細部の詰めの甘さ、意味の無い装飾を指摘され、自分には全然無い視点にを教えてくれることに感謝しました。
彼に出会う事が無ければ細部の仕上げや不要な装飾を捨て去ること無く、思いつきを形にして偶然人に評価された物を作り続けていたと思います。
今回作ったストーブはそんな彼からのつながりで知り合った、奈良県東吉野村在住のデザイナーが書いてくれた1枚のメモを元にロケットストーブを製造した体験談です。
ロケットストーブのデザイン
暑い夏を迎える前に、奈良県東吉野村のカメ屋に設置した薪ストーブの追加工事に行ってきました。
お昼頃、追加工事が順調に終わり、去年薪ストーブを納品したお客様の元へ煙突掃除のレクチャーに行ってきました
煙突掃除が終わり、お茶とお菓子をごちそうになっている中で、おもむろにお客様より「薪ストーブのデザインを描いてあげようか?」と嬉しいご提案を頂きました。
デザインをしてくれたお客様はこちら
坂本 大祐さん
スマホで東吉野村へ追加工事に行く前に完成させた、8角形のロケットストーブの写真を見て頂き、感想を聞きました。
私の狙った意図としては、多くのロケットストーブは四角柱の形状が多いので、四角柱を止めておきたいと思ったのと、構造の制約からこのような形にしました。
坂本の感想は、「四角ってねー頭が重たく感じるんだよね-」とつぶやきながらおもむろに一枚のメモ用紙を取り出しさらさらとデザインを描き始めました。
軽さを出すにはこんな形が良いんじゃないかな?とつぶやきながらメモ用紙に描かれていくデザインは僕が思いつきもしない形でした。
丸ですか!
この1枚のスケッチを元に、機能を盛り込むべく設計を始めました。
設計
実際の設計をCADのモニターだけで済ませてしまうと、大きさの質感が分からないので必ず実寸を鉄板の上に書きながら確認します。
デザインでは燃焼室とオーブンの比率が同じくらいだけど、普通の薪ストーブみたいに薪が燃える様子をじっくり眺めたいので燃焼室の窓を大きくしました。
他にも、オーブンがしっかり昇温して、窓ガラスが曇らない様に、そしてキレイな燃焼を可能にするレイアウトをこのデザインの中に盛り込みました。
今回は前の窓ガラスが大きいので、ススで曇らない様にするのに気を遣いました。
テスト
季節は過ぎ去り、夏も終わる9月に入り一応形が出来上がりました。
設計を実物に出来た嬉しさから、坂本さんへ写真を送信すると「脚のバランスが今ひとつ」とのアドバイスが返ってきました。
具体的な寸法と、脚の傾斜のアドバイスをもらったので、翌日早速改造しました。
改造後の写真
アドバイス通り作ると、改造後の方がしっくり落ち着きます。
デザイナーって凄い。絶対僕一人だけなら脚の改造を面倒に感じ放置しちゃいます。
紙のスケッチと完成品を比較すると。
大体のテイストはつかめたかな。
後は耐熱塗料を塗って長時間テストです。