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2次燃焼空気は必要なのでしょうか?

 
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私の意見は不要です! 但しロケットストーブ。

薪ストーブ2次燃焼とはこの記事に簡潔にまとめていますので知らない方はこの記事を参照して下さい。

過去に作った薪ストーブには2次燃焼を搭載して、ストーブの温度が上昇すると、空気を絞ってオーロラ燃焼を楽しんだりしていました。

今は基本的にロケットストーブをメインに作り、2次燃焼専用の吸気ラインは設けていません。

なぜなら、それで全く困ることが無いから。

この意見は私だけの意見では無く、2002年のLarry Winiarski’s Rocket Stove Principlesにしっかりと書かれています。

Reflecting on the Rocket I might point out a interesting point: no secondary

air. I’ve tried adding heated secondary air into the top end of the internal

chimney above the combustion chamber but haven’t noticed an improvement in

amount of smoke or in fuel efficiency. I ended up thinking that enough

primary air is left at the top of the combustion zone anyway. Adding air may

just reduce temperatures. I’ll test this further with better equipment.

Larry Winiarski’s Rocket Stove Principles 4-9行より引用

2次燃焼はいりまへん。 燃焼室と、煙突の間に2次燃焼空気を入れたけれど、効果を確認出来なかった。

十分な1次空気が煙突トップまで達する。エアの追加は温度を下げるだけっしょ!

(筆者の超意訳)

上記の引用で今回の記事は全て終わってしまうのですが、記事をそのまま信用する訳にはいかないので

自分なりの方法で、燃焼室に温度計をセットして実験を繰り返しました。

すると、結果は・・・・

引用通りの結果となりました。

 

別に2次燃焼空気を入れたい人はじゃんじゃん入れて貰って良いんですよ。

ただ、私がデータロガーで温度の変遷をロギングした所、燃焼のピークが過ぎた時に2次燃焼用空気が多いと温度が低下しました。

 

薪ストーブのエンジンは高温に暖められた空気の浮力なので、装置を内部から冷却するのは致命的なハンデを背負い込むことになると考えます。

別の角度から考えれば、空冷のエンジンみたいな物で、薪を投入して燃焼のピーク到達までは燃焼空気の補助になるでしょうか、ピークアウトすれば補助が逆回転して、高温に保つべき部分へ燃焼温度と比べて明らかに低温の空気を送りこみます。

私の実験では2次燃焼用空気が無くても、1次空気で十二分に燃焼しました。

ロケットストーブの核心は、装置内部に設けた断熱2重煙突部分で高温を作り出すことなので、逆作用する追加エアは不要だと言うのが私の考えです。

高温が最高なのか?

高温状態を作り出し、木から発生する可燃性ガスを燃やし尽くすアプローチには同意します。

しかし、高温になればなるほど上昇気流が強くなって、強烈な吸気力を発生します。 

適度な吸気力なら都合が良いのですが、ロケットの様にゴーーーッと燃えると、お部屋の暖房に使い切れなかった熱を煙突から排出してしまうのが勿体ないです。

このときに、空気の供給を絞っても、燃焼室より後ろが高温なので強力な上昇気流が暖まった空気を排出します。

住宅に例えるなら、隙間が多いお部屋を目一杯暖房すると、暖かいほどに暖気が寒い方へ移動し、ほんのちょっとでも隙間があると猛烈な勢いで冷気が侵入します。

気密性が住宅の温度変化に重要な因子であるように、薪ストーブは排気ダンパーで熱をなるべく逃がさないようにしながら連続運転する事が大切では無いのでしょうか。

ここでのポイントは

気体の温度と、上昇気流の力は1次関数に近いと言う事です。

まとめ

今まで薪ストーブの開発は失敗の連続でした。

しかし、失敗をすると意味不明な線が書かれた失敗切符を手にすることが出来るのです。

そして、失敗切符を何枚もコレクションしてつなぎ合わせると、成功への道筋が表れる。

私のイメージする製品開発はこんな感じでしょうか。

 

だれに教わる事が無くとも、失敗と言う経験が最高の教科書になりました。

気体の温度と上昇気流の力関係は、何十万円もする舶来品から5千円のブリキストーブまで全てのストーブに共通する本質的な性質であり

本質を理解する事が、製品改善への大きな力になると考えます。

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