ヒミエルストーブ

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ヒミエルの進化

 
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2019年3月に軽井沢川原薪ストーブ本舗へ納品した当時の写真です。

 

自分なりの自負を持って納品したのですが、現地で軽井沢統括の亀井様と川原様から山の様なご意見とアドバイスを頂いたのが更なる改良へスタートとなりました。

 

僕も含めた製作者という生き物はとかく自分の製品が素晴らしいと錯覚している生き物で、ダメ出しとかではなく単なる意見すらも自分が否定されているかのように感じてしまって逆切れや会話の打ち切りをやってしまう傾向が強いと思います。

 

べつにどの行動を選択しようと勝手なのですが、せっかく頂いたご意見を実行しないまま否定なんて出来ないのですべて改善してみたら、どこにも売っていない良い製品にリニューアルしちゃったのでびっくりです。

燃焼構造の変更

燃焼編

初号機は空気の調節をレバーで行っていました。

燃焼中に空気は調整しないので、空気調節機構を撤去しても良いかもね。そうアドバイスを頂いたので早速撤去。

 

ついでに、床面がものすごく熱くなって危険なので空気の流れ道も拡大。

 

改良前は酸欠気味だった燃焼がこの改造により劇的に良く燃えるようになりました。

オーブン編

オーブン料理を行うと吹きこぼれる事が多々あるそうです。

初号機はオーブンの扉が小さくて、煮物の吹きこぼれを受けるお皿を入れる事が出来なかったので扉の大型化を行いました。

丁度15インチのステンレスバットがすっぽりと入る大きさです。

このくらい大きな容量だとストーブをそのまま入れる事が出来るので便利だし、中仕切りもスムーズに出し入れできます。

 

オーブン料理をしていると、油煙や調理のにおいがお部屋へ逆流する事が有ります。

対策としてオーブンに小さな穴をあけて煙突からニオイを排出するように改良。これにより匂いが扉の外へ漏れ出すことが一切無くなりました。

そして、燃焼構造を効率化したことによりとろ火でも庫内温度は250度を長時間維持。

温度が高い場合は扉を少し開けて調節するといい感じになります。

薪がすぐに燃え尽きて一定温度を維持するの事を手間に感じることなく、パンなどを簡単に作ることが出来るのてとっても便利。

 

遮熱版の追加

天板で調理していると本体からの輻射熱がジリジリと熱いし、壁への熱攻撃も大きいので遮熱版を正面と天板以外に追加

遮熱版が有るお陰で、天板での調理もらくちんになりました。

 

口元から2重煙突化

初期は本体出口から1Mくらいはシングル煙突だったのですが、排気温度が低くなって木酢液発生の原因となるし

性能向上のためオール2重煙突に変更。

効果は絶大で、性能を最大限出すには2重煙突が必須だと思います。

 

KD02の製作

クッキングストーブというのは中途半端なストーブで、大きな薪を投入できる暖房に特化したモデルもあった方が良いのでは?とアドバイス頂きました。

先行事例もなく、投資する時間もお金も必要なので失敗すると今の自分にとっては非常に手痛い。

出来まへんな~と一言で済ますことは簡単だけど、実際に作ってみたらどんな感じになるのかという好奇心の方が勝って作ってみる事にした。

単にKD01のオーブンを取り除いたと言うわけじゃなくて、ロストル形状の変更や膨張室の容積拡大など一層の性能向上を目指したコンセプトを盛り込みました。

 

今だ小さな課題は抱えているけど、大きな薪を投入すると2時間以上連続燃焼するのが魅力的。

大きなガラス越しにじっくりと炎を鑑賞できるのも特徴です。

 

まとめ

このように2019年3月と比較してヒミエルストーブは飛躍的に製品の魅力を高める施策を実施しました。

改良のきっかけをくださった亀井様、川原様には本当に感謝いたします。

 

ブログに書くと何の苦労もなくあっという間に改良できたような話になっていますが、実は多くの試作と実験を費やして現在の形に行きつきました。

 

改善ポイントは明確でも、変更の手法は誰も知らないので地道に実験を行い、どの改良が何に効くのか経験を積み重ねるしか、目の前の大きな壁を突き抜ける方法を思いつきませんでした。

 

私が幸運なのは製品が完成しただけで無く、中途半端な製品は1台もお客さまに納品していなかったことが本当にラッキーだ。

うっかり初期バージョンを納品していたらどうしましょうかね、多分入れ替えをご提案しています。

 

このようなプロセスを経て、自分だけじゃなくプロのジャッジも踏まえた製品開発をしているので今後納品される製品は自信をもってお届け出来るし、新作の開発はテストも含めて約1年費やす位が丁度いい。

 

 

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