浮かんでくるアイデア
蓄熱ストーブのトップドアを開けてストーブ内部に設置した石へロウリュウする設計なんだけど、上蓋のすぐ後ろにレンガで構築した煙突があるのでドアを開いた状態で保持することが不安定であり、何らかの衝撃が加わればドアが勢いよく閉まってしまう恐れがあるのでマグネットキャッチの追加を設計士さんへ提案してみました。
あくまでも設置姿勢のイメージなのですが、こんな感じでドアが開いた状態を吸着力10㎏のマグネットで保持する計画。
ここまでは全然OKなんだけど、このマグネットベースをどうやってレンガに固定するのか?その部分に頭を悩ましていたのです。
まず最初に、ドアを開閉する衝撃を直接磁石で受けてしまうとベースを固定するねじが衝撃でボケてしまいます。
対策として、ドアの衝撃はレンガで組付けた煙突で受けて、マグネットの取り付け位置をドアの支点方向へ下げることにより直接衝撃を受けることを回避することにしました。
そしてもう一つの課題
マグネットベースを固定するアンカー。
色々ブロック用のアンカーが発売されているけど、高温にも耐える丁度良いものを知らないのでこの製品をセレクト。 しかし大きな問題があって、ブロックの穴で広がる亜鉛合金が熱で溶けてしまうのです。
カタログで調べると約130度で溶融するそうな。
試しに1個アセチレンバーナーであぶってみると、あっという間に溶けて原型が跡形もなく消え去りました。 予備知識なく使用していたら大失敗だったので工場で検証して良かった。
そして、部品を眺めること数分して一つの解決策が閃きました。
それは溶ける部分のパーツをもっと熱に強い部品で自作すればいいのでは?
具体的には現状のパーツと寸法が同じ8mmの銅管を利用すれば煙突の温度には十分耐えることが出来るし、素材の硬度も低いのでアンカーの固定に有効かと思い、早速銅管の注文をして来週検証してみることにしました。
次はドアの下側支点ヒンジに溶接のスパッターが付着してちゃんとピンを差し込むことが出来ませんでした。
6mmのリーマーを持っていれば一撃で対応できるんだけど手持ちは8㎜からなので、とりあえずドリルを突き刺してペンチで回してみたけど全く効果なし。
そこで思いついたのが、インパクトレンチの90°コーナーヘッドを利用し、ドリル刃とインパクト用シャンクを溶接して特殊工具を自作して電動ドリルでバリを除去するという試みです。
思いつけば即実行で試してみると非常にいい感じで仕上げることに成功しました。
もしかして失敗したら、ダメな方法を検出しただけなので失敗をベースに別の方法を探すから、とりあえず思いついたコンセプトを実行する事のみに意識を集中してます。
不思議なことに最近になって困難な課題に直面すると、何となく回避する方法が頭に浮かんで来るようになりました。
もちろん一発でうまく行くことの方が少ないけど、確実に現状より良い方向へ迎える技術を身につけたのは間違いありません。