ヒミエルストーブ

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アイデアはモックで検証

 
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今回新作しているストーブは蓄熱式にするために本体の周囲へ石を搭載します。

サウナストーブを作る場合、ロウリュウを行うので天板を必要とせずに目一杯石を敷き詰めるのだけど家庭用のストーブは是非とも天板が欲しい。

しかしですよ、本体周囲に巻いている網よりも天板サイズが大きければ石を投入するスペースが無いのでどうしたものかと暫く考えて到達した答えは、天板を脱着式にする。です

これは現行ヒミエルでも実施しているので簡単に思いつくのだけど、ドーナツ型の天板固定フランジを本体へ取り付けると天板が有るのと同じくらい石の投入作業性が悪化します。うーむどうした物かと考えても疲れた時は何も思いつきません。

こんな時は焦って考えずに、朝の通勤で高速道路をぼんやりと運転していると解決方法が閃く事が多い

今回の解決方法はずばり、フランジの形を自転車のスプロケットみたいな形状にする。

天板を固定するナット部分だけ幅を広くして、それ以外の場所を狭くすれば強度を保ちつつ石の投入が楽になるという、出来上がってみれば当たり前の話なんだけど、フランジ形状だけに強く意識が向くと他の形状で代用するという意識が浮かびにくいという良い事例。

そんな感じで閃いたコンセプトはイメージが鮮明な間に模型を作って実験する事が多いです。

例えば、これはべニアと養生テープで作ったバッフルの模型。

なんでこんな形なのかと言えば、天板を取り外す事無く燃焼室からバッフルの脱着が出来る寸法を検証してまして、バッフルの受け金具と天板が何センチ離れていれば構造が成り立つのか検証しました。

必要な寸法が分かれば設計時に分解を想定した形に作りこめるし、改造しても設計変更をトレースできるので非常に大切なパート。

頭の中に思い浮かんだコンセプトって解像度が低い、モヤっとした3D映像なので木や廃材を利用して実際の工法や質感なんかを検証するプロセスをスキップするとすぐに忘れちゃいます。

そして、検証したからと言ってそのままストレートに採用できるアイデアはとても少なく、検証の結果採用を見送る事の方が圧倒的に多くて今回も実際に採用する事は見送りましたが将来役に立つ引き出しを作っていると思ってます。

失敗の多さが引き出しの多さ

去年位から時間に余裕が有ったので挑戦してみたい実験や蓄熱ストーブへの挑戦など新たな分野への知見を広げることが出来ました。

その間失敗や無駄な投資をどれだけ行ったかと考えると寒い感覚に襲われますが、失敗を単体の事象で判断すれば間違いのない無駄な時間だけど、長いタイムスパンで見直してみれば全く真逆の結論に至る。

余裕時間を利用して積みあがった経験が最近になってうまい具合に整理され、自分の欲しいものを具象化するアイデアが絶えることなく思い浮かんで来るようになりました。

そう考えると、たくさんストーブの注文を貰って製造ばかりに注力するという事は過去に自分が植えた種の収穫ばかりしている状態と同じなのかもしれません。そして暇も悪い事ばかりでなく、私にとってはこれから先の自分の思いを達成する種まき時間だと考えてます。

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