年末の追い込みではないけど
今年も残すところあと5日。
2年前に比べて忙しくも充実した毎日を送っていたように記憶してます。
ストーブの技能的には京都府美山町へ蓄熱ストーブの構築をお手伝いしたのと、サウナストーブの製作をきっかけにクリーンバーンストーブを製作したのが自分的には大きな転機だったと思う。
特にクリーンバーン機は煙突さえしっかりと施工され、本体に排気ダンパーの抵抗に打ち勝つ上昇気流を作り出す蓄熱機構を備えていれば結構自由なレイアウトを設計できることに気付きました。
個人的に好きなアプローチはシンプルで素直な設計なので、クリーンバーン機は思いっきりシンプルに作ってます。
簡素な設計でも、高性能を発揮するように部品をレイアウトするのが腕の見せ所でして、特にバッフルからダンパー辺りにかけての隙間や部品の配置には自信が有るんです。
あとICについてお気に入りの操作方法を1つ挙げるとすれば、窓ガラスに近い部分へ薪を投入すると良い感じに燃焼してくれます。
これは吸気エアーの流れをイメージすれば分かるのですが、扉上部より燃焼室に入った外気がドアガラスの内側を伝い、燃焼室の底面を経て円形の燃焼室奥へ流れて行くので、エアーの通過点であるドアガラス付近へ薪を組んであげるときれいな炎が本体の奥へ流れて行くので視覚的な演出を楽しめます。
そして燃焼室奥へ流れた炎が緩やかにバッフルへ吸い込まれて行くので排気も非常にクリーン。
ICを使うならばこの運用が一番好き。
次はヒミエルストーブの改良。
丁度1年前に金属素材の使用をやめて耐火レンガでヒートライザーを構築するコンセプトを思いついたのだけど、まずは耐火レンガを寸法通りカットするカッターから自作しなくてはならなかったので振り返ってみると長い道のりでした。
耐火レンガの目地材も色々試したし、目地の組み方も数パターン実験を行いやっと火が灯せたときは本当に嬉しかった。
しかし、新開発では思いついたコンセプトが的外れで全くダメという事も普通に起こるので不安を抱えながらの実験だったと記憶してます。
しかしながら、実験の結果は良好だったので2024年度からの納品は耐火レンガで内部を構築したバージョンをお客様へお届けしてます。
6年前に初めてヒミエルストーブをお買い上げ頂いたお客様のヒートライザーが熱による摩耗で破損したのは今年の秋だけど、1年前にしっかりと対応策を考えていたおかげでトラブルを抱え込むことなく不具合を納めることが出来たのは本当に幸運だと思う。
考えたくは無いけど、突然ヒートライザーの破損をお客様から聞いたとしても質の高い代替案を簡単に思いつくことは出来ないし、実装と検証のプロセスを考えるとすぐに対応する事は不可能です。
ちなみに、6年間初号機を使っていたお客様が新バージョンのストーブを使った感想は「外観は似ているけど全然違う」との事です。 特に立ち上げの素早さと、炎の調整範囲が格段に広がり以前も良かったけど数段便利になったそうな。
私のハートはチキンなので不具合の報告を聞くたびにドキッとするのですが、望まない事象から逃げずに対応する事でストーブの設計能力が格段に伸びたと感じる。
来年は角型のクリーンバーン機を作って実験を行うのと、断熱レンガを使用したカマドを作って子供たちを集めて自分たちで火を使うワークショップを行う予定。
角型のクリーンバーン機はICの兄弟機と言う位置づけで、外装の色も少し趣向を変えて新たな提案をしてみたい。
そして、手作りのカマドワークショップは自分の子供だけでなく友人たちも参加を募りカマドの構築から火起こしまでの流れを学んでもらって、薪を使ってお料理を行う技を体験してもらおうと企画してます。
もちろん、ヒミエルストーブの改善も継続し購入いただいたお客様が愛着を持ってくださるストーブを作りたいと思っているし実行します。