2次燃焼室を高温に保つことが大切
木から発生したガスを暖かい2次燃焼空気と反応させて燃焼させる2次燃焼室。 と言っても鉄板で仕切った2階部分をそう呼んでいるだけであって特別な仕掛けは一切ない。しかし、2次燃焼をこよなく愛する人々は木質ガスをいかに酸化させるかに腐心し、空気の通り道を変幻自在に作り出し、高温のガスをなるべくストーブの中へ滞留させようとしている。
もっとシンプルにできないのかな。 とストーブをあれこれ改造して、結局煙突の性能が一番大切だという結論にたどり着くまで、作り出してから1年半くらい時間がかかった。 右も左もわからない徒党空手で作り始めて、ストーブ自体は見よう見まねで何とか完成させることが出来たとしても、設計と性能との因果関係を理解できるノウハウが圧倒的に不足しているので今となっては良い勉強だったと思える。
初めて作り始めたころはネット上の情報を集めようと食い入るように検索していた。しかしいくら情報を集めたとしても、製作者の意図を理解する能力がなかったからまったくの徒労だったと思う。 ある人が、薪ストーブ作家のブログに「なぜそうなっているのか教えてほしい」とストレートにコメントを書き込んでいるのを読んだ事がある。 作家さんは一言「自分で経験してください」とだけ返答していたように思う。
なんだ、けち臭いなー。とその時の私は思いましたが、今は答えだけ聞いたとしても、その背景にある因果関係を理解できなければ大した意味は無い。と断言できる。
このストーブを完成させたあと、2重煙突の薪ストーブユーザー宅と薪の燃える姿がまったく違うことに衝撃を受け何でそんなに違うのか?と言う疑問を持ったことが薪ストーブ作りにどっぶりはまり込んだ理由の一つだ。2重煙突とシングルとの差。それだけだったのだが全く別物に見える。
最初は鉄の箱で木が燃えているだけ。と安易に考えていたけれど、思っていた以上にいろいろな知見が必要で実験と検証を繰り返すうちに1年なんかあっという間に過ぎ去ってしまう。今は2重煙突がいらないロケットマスヒーター方式のストーブと自作2重煙突、その2つに的を絞って今後の製作を進めようかと思っている。