薪ストーブ納品
吉野杉で有名な東吉野村に新築で地域の人たちが集う集会所と、1日単位の賃借ができるチャレンジカフェが出来るので
カフェに導入するオーダー薪ストーブのご相談を頂いたのが2016年の年末でした。
デザインから起こしての製作だったので、設置するまでどうなることやらと心配していましたが終わってみれば全くの杞憂でした。
薪ストーブ納品
材料の準備
設置場所は今や東吉野村の名所となっているOffice Camp から少し西に行った場所にある新築の建物でした。
設置に訪れた朝はキッチンの納品があると聞いていたので、8坪の建屋内の作業場所が取り合いになると考え7時半には現地に到着しました。
真新しい建物の周囲は外構工事に取りかかる前で、道具を仮置きする場所も少なく、作業スペースとなる土間も前日にモルタルを打設したばかりなので養生シートを掛けての作業となりました。
あさは部品と道具の積み下ろしに忙殺され写真は取り損ねました。
煙突の設置
先ずは屋根上の煙突設置工事から着手します。
フラッシングの室内側に結露防止の断熱材を設置して、寒暖差による水滴の落下を防ぎます。
この後、屋外から設計に従い煙突を差し込み固定金具で垂直と箱のセンターを計測しながら固定して行きます。
固定金具で煙突の位置が決まれば、後はツイストロックを効かせながら固定金具を締めて行くだけなので作業の進行が早く、
またもや写真を撮るまもなくストーブまで連結してしまいました。
屋外は板金で防水
通常、フラッシング金具上部にストームカラーの襟巻きを設置して防水を行いますが、ストームカラーの防水テープやコーキングは
環境の厳しい屋根での性能寿命は煙突本体より遙かに短いです。
毎年コーキングの劣化を点検し、自分でDIY修理出来る技量があれば問題有りませんが、問題が分かるまで放置されると
雨漏りの発生要因となります。
ですので我が社では、maki式薪ストーブの岡崎さん直伝。3重煙突施工でコーキングに頼らない板金作業での防水を行っています。
風雨に暴露する部分は全てステンレスなので耐候性もあります。
設置してからの変更
施工図面に従い設置も完了し、やれやれ一息入れようかと思い設置した薪ストーブを眺めると、とても気になる部分がありました。そうなのです、人の往来があるスペースで炎を見る事が全く出来ないのです。
出入り口に向かって薪ストーブの扉開閉を行う事は危険では無いかと言う配慮から施工図面を決定されたようですが
薪ストーブの醍醐味である炎を部屋に居る全員が楽しめないレイアウトに違和感を感じたので、プロジェクトを動かしているデザイナーさんに現地を見て頂き判断を仰ぐ事にしました。
デザイナーさんの結論は方向を転換しましょうとの事でしたので、一旦完成した煙突を再度分解し90度炉台と一緒に回転しました。
[su_row] [su_column size=”1/2″]人のいるスペースから炎が全く見えないレイアウト
[/su_column] [su_column size=”1/2″]90度回転してストーブの正面が見える様になりました
[/su_column] [/su_row]試験運転
据え付け工事がすべて終わった後に点火試験を行いました。
納品前に工場でテスト燃焼を終えていたので燃焼に心配はありませんでしたが、キレイに燃焼してくれて一安心です。
今回はストーブの出口から煙突トップまですべて2重煙突を接続したのでドラフトが強力です。
まとめ
怪我もなく安全第一で納品か完了できて良かったです。
設置方向が90度変わったので本体右側に追加の遮熱板設置作業が必要になりましたが、一旦これにて1月から始まった薪ストーブ新作プロジェクトは終了となります。
本体製作だけで無く、煙突工事の経験も蓄積できて何だか楽しくなって来ました。