ヒミエルストーブ

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KD01の製作 その2 燃焼室の製作

 
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昨日に引き続き外は大雨だけど、工場で製作を続行しております。

毎回作りながら感じるのは、溶接によるヒズミの発生で狙った寸法に収まらなくなる事象をいかに制御するのかが大切かと言う事でしょうか。

 

今回は見た目大きく進みたかったので、本体の溶接に着手です。

本体は直角水平を基準に、鉄板を組んで行くので作業の進行も早く「おーっ進んだな~」と実感できるからテンションの上がるパートでしょうか。

その逆は、こまごました部品を手作りしてゆく場面です。

驚くほど時間ばかり浪費する割に作業が進行せず、1日を終えて製品をみても徒労だけが残る日もあります。

組み付け

昨日の続きから

まずは全ての穴を面取りします。 鉄板の裏側なんて溶接しちゃえば見えないので放置する事も可能なんだけど、せっかく使って頂く製品に小さくとも心残りが生まれる事が嫌だし、気持ちよく作りたいので手抜きは無いと断言できます。

 

つぎはオーブンの鉄板に穴を開けます。

海外製のオーブンなんかじゃ当たり前の装備と教えてもらってウチの製品にも取り入れたんですが、オーブン室で調理すると食材のにおいがお部屋中に充満するのを防ぐために、煙突へ臭いを排出する穴になります。

 

単なる穴を開けるだけだけど、穴の大きさや位置なんかが大事なのでこれも数をこなして得た知見が役立つ部分でしょうか。

そしてここからが今日のメイン製作パート。

底板をヒズミ防止のジグにセットして溶接で仮止めしてゆきます。 溶接する場所も後になって外せる場所を選ばなきゃダメなので、一応考えながら作業を進めます。

 

これが本体正面になる部分です。

治工で拘束しないと、飴細工の様に曲がってしまい本体の四角形がちゃんと作れないので最重要工程です。

しっかりと仮止めしながら、製品になった時には傷が表に出ない場所を選んで溶接しています。

 

板を組み付ける前に、鉄板の端はベベラーと言う工具を使い45度削り取ります。

この作業も重要で、鉄板を突合せで溶接した後に溶接肉を除去してしまうと鉄板を拘束する熔材が無くなってしまい、加熱による膨張と冷却を繰り返す事で本体にヒビが入ってしまう恐れが大いにあるのです。

そして恐ろしいのは薪ストーブの本体にヒビが入ってしまうと

気密の高い家では熾火になった状態で換気扇を回すと煙が室内へ逆流します。

炎が大きい時はドラフト(煙を吸い上げる負圧)も強いから問題無いですが、炎が小さくなりドラフトが弱くなった場面で本体に亀裂などの隙間があって、換気扇を回す事でお部屋の気圧が負圧になれば煙は煙突じゃなくて、室内へ逆流するのは自明の事かと思います。

 

なので、気密の低い家なら問題有りませんが 一般的な住宅で亀裂の発生した薪ストーブを使うのは危険だと言う事を頭の片隅に覚えておいて下さい。

そんでもって、僕はそんな心配をするのが嫌だから外側にくる鋼板は全て開先(45度の切れ込み)を入れて板厚の半分以上溶接肉が浸透する様に施工します。

 

今の所お客様から本体が割れたという話は聞いたことが無いので一安心でしょうか。

まとめ

この後は空気導入口を作って行きます。

ヒミエルストーブKD01は空気導入の方法も凝っており、単にドアから勢いよく空気を燃焼室へ吸い込んでいる訳じゃありません。

 

外気導入口を備えた本体底面の吸気口から上下2系統に分割された燃焼用空気が、空気用配管を通過する過程で予熱されるように設計してます。

いきなり冷たい空気が燃焼室へ入るんじゃなく、予熱すると言う事が一つ目のポイントになります。

そして二つ目のポイントが、燃焼室の上下2か所から正面のガラスに向かって空気を吹き付ける事により、曇りのすくないクリアーな視界の確保が可能になります。

半日連続燃焼してもこの透明度です。

この状態を可能にするために、どれだけ実験を繰り返したことやら…

 

 

 

 

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