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煙突の設置工事と平屋にはチムニーボックスを推奨する個人的見解

 
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昨年の末から施工の準備をしていたネスターマーチンを設置する現場の屋根工事が終了したと工務店から連絡を貰ったので、春雨前線が北上する前に煙突の設置工事を行いました。

結果的に工事予定日を逃すと翌日から5日間ずっと雨の予報だったので良い日に工事出来ました。天気が良ければすべてよし!

これが昼から雨の予報なので急いで作業しなきゃ、などと余計なプレッシャーが掛ると気持ちが空回りして道具を落としたり部品を傷つけてしまったりするので心の余裕は本当に大切な要素なのです。

私が考えるお客様から薪ストーブ設置のご相談を頂いて一番大切な要素はストーブの設置場所の話では無く、どこに煙突を設置するのかだと考えてます。

実際、煙突さえ理想とする位置に設置出来れば本体は搬入するだけなので作業は6割以上終わった物と同義な感覚かな。

特に煙突の先を屋根上にちょこっと出せば良いとお考えの方が多いのだけど先ずは煙突の総延長が4M欲しく、尚且つ煙突トップが風圧帯に入らない位置へ設計する必要が有ります。

具体的には今回みたいな1階へ設置の場合、軒先側に配置する場合屋根からの突き出し距離が3Mを超える場合が多いので何かしらの煙突補強が必要になりますので、僕は箱の設置を第一に推奨します。

フラッシングとワイヤー補強で煙突を屋根上から3M真っすぐに伸ばす施工も可能です。

しかし台風などの強風に耐える事が困難だし、そもそも煙突掃除のアクセスルートを放棄しているので毎年高所作業者のレンタルや建築足場を組む必要が発生します。お掃除ロッド作戦も有効だけどロッドが掃除してくれるのは筒の内部だけで煙突トップの傘に煤が堆積した場合物理的に取り外して掃除しなきゃならないので総合的な解決とは程遠いです。

同様に平屋の屋根に穴を開けたくない心理的ハードルも十分理解できます。

軒が短い場合、壁抜き屋根出し作戦が有効かと思うのですが、煙突をしっかり固定して立ち上げるために何かしらのサポートが必要な訳でして、2階の壁が有る場合は利用できますが無い場合はアマチュア無線の鉄塔みたいな煙突保持部が必要になる、若しくはチムニーボックスを経て増しするなど屋根の上に箱を乗せる以上に大掛かりな工事が必要になる事が有るので、屋根の強度が確保できる場合は箱の設置を第一にお勧めさせて貰っています。

とは言え屋根の強度や2階の軒先をかわす必要が発生するけど窓が有るので箱を設置出来ないなどの障害が有る場合も多々あるのでそこの所は現場を見て判断して行けば良いかと思います。

話が脱線したけど、いつも通り上の固定金具から水平を確認しつつ取り付け。

下げふりで上下の通りを出しつつ、室内側から煙突を持ち上げるロープをあらかじめ準備し下側の金具固定が完了したらロープを煙突内部に通して上へ引っ張り上げます。

 

今回は煙突の突き出し量が多く、テーパー部分でロックバンドの固定が必要になったので、先に角フラッシングを乗せた後に煙突を繋ぎ合わせ最後に角フラッシングを持ち上げた隙間から手を入れてバンドをロックしました。

高い場所へ突き出した煙突に一人でフラッシングを被せるのは姿勢が不安定なのでこの方法を試して見たけど作業性は良かったです。

 

屋根瓦の板金仕舞は職人さんの個性がモロに出るので現場毎に写真を撮って保管してます。この現場では瓦の端面に陶系の板を引っ付けて防水処理されていました。丁寧なお仕事をされているので勉強になります。

 

屋根上の仕事が終われば室内のカバーを取り付けて煙突設置工事は終了。

天井ギリギリに煙突接続部分が来ていますがロックバンドの脱着が出来る事を確認したので実用上問題は有りません。本体の高さとスライドアジャスターの取り合いからこの位置に設定せざるを得ませんでした。

煙突はチムニーボックスの上下でガッチリと固定しているので微動だにしないし、箱の上に乗って煙突掃除のブラシを落とせば簡単にお掃除出来るのでメンテナンス性も確保できています。

 

現場の場数を踏む事で、最近やっと煙突設置の方向性をイメージ出来る様になってきました。出来上がりを見ると簡単だし慣れるとどうって事無い事かも知れないけど、初心者の頃は自分の設計がどの様な結果になるのかを見切る事が出来なかったのでとてもハラハラしながら仕事していたと記憶してます。

 

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