ヒミエルストーブ

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グランデノーブルデポの架台製作

 
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今回は石で作られた蓄熱ストーブの底に30㎜の架台を追加する加工を行いました。

架台の製作は簡単なのだけど、傷や汚れを付けてしまえば取り返しがつかないので細心の注意を払いつつ作業のフェーズ毎に養生を施すので非常に大変。

特に本体が石で出来ているのでヒビや欠け、汚れなどを付けてしまうと修正不可能なので作っている間はずっと恐怖を感じてました。

先ずは本体の底面に差し金を当て正確な寸法を拾い、固定する穴位置との関係をスケッチです。

このストーブは重量が230㎏もあるのにクレーンで吊り上げる適当なポイントが無く、持ち上げるのがとても難しかったです。燃焼室底面にハンドリフトの爪を入れて持ち上げる事が出来れば良かったのだけど、生憎その場所には灰受けと遮熱板が有って持ち上げるには強度不足だったから最終的に底面から吊り上げる事にしました。

本体を持ち上げて穴位置を確認した後は定盤の上に実寸を書いて図面の最終確認を行い、実寸を参考に鋼材を接合して行きます。 定盤の上で材料を抑え込みながらTIG溶接を行うと歪みが少なくフラットで対角の狂いが少ない仕上げが可能なので今回の様な作業にはうってつけ。

TIG溶接はブローが入らない様にガスレンズを取り付け、電流とパルスの調節をyoutubeで勉強したので綺麗な外観に仕上げる事が出来ました。

後は黒耐熱塗装を施し部品は完成です。

そして最後の難関が架台と本体の接合で、これはホイストなどが無ければ超絶困難な作業だったでしょう。

普通に本体を架台へ乗せるだけではネジ穴が全く合いません。

ではどのように行えば良いのか?

答えは簡単でネジ穴に寸切りボルトを入れ、寸切りボルトをガイドにして本体底面に開いている取り付け穴との位置を合わせて行きます。

とにかく手で軽く位置合わせ出来ない物は、何らかのガイドを作り穴位置をぴったりと合った状態まで仕込んだうえでネジを締結しなければドツボにハマるので寸切りでの位置合わせは必須です。

微妙な位置合わせはシール台紙を架台と本体の隙間に挟こむ事で可能にします。

この様な感じで完全養生を施し、何とか位置合わせは無事完了。

 

図面さえあればどこの鉄工所でも作れる製品ですが、薪ストーブの特性を理解した上で部品を加工する業者はそう多くは無いと僕は考えてます。市販の薪ストーブに関する特注部品を作る仕事は神経を使いますが自社製品を作り続ける事では得る事の出来ない経験や知見を得る事が出来るので今後も積極的に挑戦して行きたいと思ってますのでご相談があれば気安くコンタクトして下さい。

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