ICの製作とSDの材料入荷で感じる雑感
今週は絶賛ICの製作に取り組んでます。
仕事は段取りが8割と申します様に、組み付けて形にするまでの仕込み自体が作業の大部分を占めておりましてシンプルな形状のICは作業の負荷が小さいのかと思っていたのだけど、実は仕上げが化粧になるので仕上げに配慮しながら組み立ててます。
外観の仕上げに直結する部品の加工は目の前に対象物があるので意識が容易だけど、実際の燃焼性能は設計の段階で決定されるので実験で検証する他に確認する手段がありません。
お客様が見学にお越しくださった時の炎の状態を見る限り、暖房性能、保温力、煙すら熱に変換する能力の全てがいい感じにバランスしていると自己評価しているので今シーズンお客様へデリバリーを行いシーズンを終えてから感想をお伺いして検証してみようと思ってます。
今まで製造していたヒミエルはハイパワーが得意分野。
石油ストーブではいくら灯油を焚いても追いつかない様な古民家や厳冬地域での暖房が得意だけど、現代の断熱性能が高い住宅には加熱スペックが大きかったことも事実。
なので、ICを作りヒミエルよりも暖房性能が小さなモデルを作った事は正解だったと思うし選択肢の幅を広げる事は大切だと実感しました。
今製作しているICの納期は年末か年始なのでそこまで大急ぎという訳ではなく、今週部品が入荷してきたSD01の方が納期が早いので、一旦手を止めて防湿の為にラップを巻き半月程度保管して製作の順序を入れ替えます。
やく半年ぶりにSDを製作するのだけど、ICと比較して2倍以上の部品点数に少し驚きます。自分の知っている範囲と限定すると、通常のクリーンバーンと比較して費やしている作業量や鋼材の量は上位です。
もちろん使用するユーザーにとって大切なのは得られる便益なのはもちろんなんだけど、去年の年末に耐火煉瓦使用へマイナーチェンジを行なってから更なる性能アップを図っているので自分ではこれ以上の改良点を見つけられないのが目下の悩み。
個人的なこだわりで、世間には無い極上の暖房性能を世の中へ提案したいと思いヒミエルシリーズを作り込んだんだけどごく僅かなこだわりを持った方が指名して下さる以外は得られるメリットが伝わらないのか、私のこだわりが実は玉ではなくて石だったのかは分かりませんが、一つの事実としてクリーンバーン機の方が人に伝わりやすいと言うのは歴然たる事実。
1人の技術者としては製品開発に明け暮れるのは仙人みたいで面白いし、やり甲斐も感じるけど人に伝わらなければ存在していない事と同義なので今後はクリーンバーン機の商品ラインナップを増やして行こうと思案。
今回入荷したSDの部品をみて思ったのは、ユーザーのニーズにマッチすれば本当にいい感じで薪ストーブライフを楽しめると思うし、コスパは高いと思う。
しかし、鋼材を始めとするあらゆる製造間接費用が高騰しているので価格の改定を行う時期が近づいていると感じるのも事実。
また近いうちにアナウンスします。