ヒミエルストーブ

 メルマガ登録はこちら

蓄熱式スモークサウナ体験

 
この記事を書いている人 - WRITER -

去年2度お仕事の打ち合わせで体験させて頂いた岡山県美作市で運営しているスモークサウナのお宿「久米屋」さんへ宿泊に行って来ました。

2度も入っているので施設の雰囲気は良く知ってはいるのですが、プライベートで訪問しリラックスした雰囲気の中チェックアウトまでどの様に蓄熱式スモークサウナの温度が変化してゆくのか興味があったので予約サイトを調べて見ると人気の施設にも関わらず希望日に予約が空いていたので即刻申し込みを行い、管理人をしている丸山さんへよろしくお願いしますとメール送信。

チェックインの数日前までは20度を超える温かさだったのに、寒の戻りで寒さに震える中宿に入り着替えて早速サウナを満喫。

サウナに関しては沢山の人が感想を書いているのでこの記事では大きく割愛しますが、強烈な輻射熱がレンガの蓄熱体から発生する熱量は圧巻。

手短に言って蓄熱式スモークサウナは「最高」でした。

薪ストーブの暖房とは異なる温度レンジに、煙で燻された室内の香り、そして山からの湧き水が満たされた湯船など全てが合わさって極上の空間が出来上がります。

サウナを楽しみに来ているお客様は、ストーブが生み出す熱量や環境に意識が向かいますが私はその熱源システムの構造を考える事が得意であり、美作市のストーブは何が特徴なのかを考察したい。

そこで核となるキーワードが「竈門」と「ストーブ」の概念を明確に使い分けることが大切。

両者の境に明確な隔たりがある訳ではなく、直線上の両極に上記概念があり中央は両者の特性が並立していると考える事が出来、設計者が求める出力に応じて構造を設計する事が大切である。

そして、久米屋さんの蓄熱ヒーターは「カマド型」だと考えます。

カマドの大きな特徴は炎が直接お鍋や湯舟など対象物を加熱する事が大きな特徴。

ロケットマスヒーターが効率の良い燃焼が可能なのは異論はありませんが、お料理を手早く行うのであれば直火でお鍋を暖める方が断然早い。これはヒミエルの経験とオクドさんを作って実際に使用した体験から感じた話。

可燃性ガスを燃焼させ、発生した熱気をレンガなどの蓄熱体へ貯蔵するのがストーブのざっくりとした構造であるのに対しカマドは直接炎が対象物を暖める事が一番大きな違いであり、久米屋さんはヒーターの内部へ積み上げた大量の蓄熱体を直接火炎で温める事で強烈な輻射熱の発生を可能にしています。

そして、蓄熱ヒーターに求められる出力とサウナに求められる性能は似て非なるものなので、レンガ作りの設備だけど構築の方法が微妙に異なります。

なので、個人的な意見を述べるのであれば薪ストーブのアプローチでサウナを作っても間違いでは無いけれども欲しい出力特性から外れてしまう可能性が大いにあるという事だけ知っておくだけでも良いかと。

このあたりの肌感覚は実際に現物を作り経験値を積み上げるしか高める方法がなくネットにも載っていない情報なのでうまく表現する言葉が見つかりません。

なので、都度質問して頂きそれに対して知っている範囲で回答すると言うことでしか対応できないマニアックな領域なのでしょう。

物作り全般に言える事だけど、現物を見て知見を積み上げるのは時間と労力を費やすので一見すると非効率に見えますが今になって振り返ると、それらの知識が組み合わさる事で幅広い発想が可能になるので実は知識量を増やす一番の近道だったのかも知れません。

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Copyright© himiel stove , 2025 All Rights Reserved.