第49回職人起業塾の振り返り
ご縁があって巡り会った元祖職人起業塾、早いモノで今回は13回目の参加でした。
今回の事前課題は2つあって
1)ある工務店経営者が自社大工を育てる必要性を強く感じていながらも、大工の育成に踏み込めない本当の理由はなんですか?
2)誰もが強い誘惑に駆られる自己正当化をどのように防ぎますか?
今回の事前課題は難解でした。
1)に関しては色々考える中でファイナンス理論から答えを導こうと思いました。
結論から言うと、自社の資源を1つに集中すると状況の変動に弱いので、現状で商いが可能な間に新たな展開を考えるべきだと思いました。
伝統工芸の世界でも、需要の縮小、新規就業者の減少など同様の問題が至る所に山積していますが、既存の資源を利用しつつ新たな需要開拓で活路を見いだす経営者はメディアに沢山掲載されているので、
自分の業界へエッセンスだけでも真似してみるのが良いかと思いました。
そんなの、誰もが知っているし、いまさらながらの当たり前な答えですが、自社の収入を生む柱を増やす取り組みを行うツールとしてマーケティングが必要になると思います。
1)に関しては軽く触れる程度にして今回の本題2)について書いて行きたいと思います。
Q:自分に嘘をつくのをどのように防ぎますか?
A:自分に嘘をついている状態を知る
今回の起業塾の途中で、この問の理解を深める参考図書のアナウンスがあり、早速購入して読了しました。
私ごとで恐縮なのですが、この本を読むと今まさに自分が体感している事が書かれていたのでとても驚きました。
子供と向き合う時間
我が家には2歳と4歳の子供がいて、私が仕事から帰宅すると嬉しそうに「だっこー、肩車、高い高いしてーーー」と寄ってきてくれます。
元気な時は全く問題無く期待に応える心の余裕があるのですが、夏の現場で疲れ切って帰宅した時には自分の疲労感を我慢することに一杯一杯なので
いつもは笑顔で応える事の出来る子供達の要求が、もの凄くしんどくなるのです。
そんなとき、私の心の中では 子供達の希望を叶えてあげたいと思いつつ、疲れた身体の上に容赦なく乗ってくる子供達をうっとうしく思い、
「今日は無理」や「ダメ!」と言って振り払っていました。
ここでのポイントは、希望に応えてあげたいと思いつつ、自分の気持ちに嘘をついて易きに流れてしまったと言う事です。
するとどうでしょう、自分の気持ちに嘘をついた事を強化してくれるアラを自動選択し始め、自分が正しくて他が悪いと自己暗示がかかるようにオートメーションで行動するのです。
自分の心に嘘をついた時に自己正当化を行うには、外側に悪い理由が必要なので、無意識に悪い理由を探していました。
一時が万事そういった具合に、自己正当化を強化してくれる人はいい人で、そうで無い人は何も分かっちゃいないと都合の良い様に解釈していました。
過去を振り返って冷静になり、自分の厚顔無恥な振る舞いを公言するのは恥ずかしいのですが、これが事実なのだから仕方ない。
しかし、こうやって公言できると言う事は今は違う行動を選択出来る様になったと言う事なのです。
変化した子供との時間
数が月前から、いつもの様に子供達がじゃれてくると、以前の様に自分の気持ちに嘘をつくことが激減するようになりました。
以前の様にならない方法は、「自分勝手な意味付けをせず子供達を見る」と言う事です。
子供達は「高い高いして!」と言っているだけなのです。
けれど、私の心中では「もう良いって言うまでエンドレスでずっとやってね。」 このように自動変換していたのです。
いやいやいや、それはおかしいやろ~と思うでしょうか、自分の気持ちに嘘をつくと、嘘を維持するだけの理由が必要になるので、自分の都合の良いストーリーを自動再生しちゃうのです。
いまは、私と触れたがっている子供の気持ちを感じるので、しんどい時には「しんどいから1回だけね。」と言えば良いし、本当にしんどい時には「今日はゴメンね」と言えば良いだけなのに、以前は出来ませんでした。
そう、自分の気持ちに嘘をついていると言う状況を自認できていないのに、自己欺瞞なぞ認識することは不可能だったのです。
自己認知で行動が変わる
じゃ、自分の気持ちに嘘をついている状況は何で知る事が出来るかと言えば。。。。それが分からないのです。
暗闇の中で重い扉が音を立てて開き、眩い光に包まれて・・・と言う様な感覚は一切無く、唯々毎日同じ日常を継続していました。
今までと異なることと言えば、合気道とコーチングを継続している事なので、おそらく2つの交互作用によって自分の中で何かが大きく変化したのは間違い有りません。
初めは家族が対象で自己欺瞞を防ぐ事に取り組み、馴れて行くにつれ対象者を徐々に広げて行き、今は得意先や友人に対して自分が心地よいと感じる行動を取る様にしています。
そうすると、以前に比べとっても気持ちが楽です。
自己正当化の理由を探す必要がなくなり、人の話をじっくり聞くことが出来、相手の雰囲気や訴えを以前より感じる事が出来る様になりました。
心と体って繋がっているんですね、疲労感も激減し、おまけに抜け毛が止まって髪の毛まで増えちゃいました。
まとめ
自己欺瞞を防ぐには、自分の気持ちに嘘をついた時を知る事がまず第一歩かと思います。
私の場合、胸の下とみぞおちの間がズイーーンと重たくなる様に感じます。
書店には「一瞬で相手を納得させるテク」みたいなビジネス書が並んでいますが、先ずは自己欺瞞の解消があってこそのテクニックだと思います。
1)自己認知→2)行動変容→3)自己欺瞞の解消→1)へ
このサイクルを回すのは本当に難しく、簡単な上っ面のテクに手を伸ばしがちですが、本当に効果があるのは根本の行動変容だと私は信じています。
この事こそ、元祖職人起業塾で繰り返し教わっている事では無いかと理解しています。