ヒミエルストーブ

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薪ストーブの温度測定から分かる性能

 
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弊社の薪ストーブは従来型薪ストーブと比較してより多くの燃焼エネルギーをお部屋の暖房へ使うことが可能です。

特許申請と並行して発明の効果を検証した記録です。

特許申請に関しての記事はこちら

薪消費量の比較

従来型の薪ストーブは発生した熱の約4割は煙突から排出されていると言われています。

しかし具体的なデータは発見することが出来ず環境省の発行する木質バイオマスストーブ環境ガイドブックによればP3に記載されている通りアメリカの基準を引用し触媒搭載型で熱効率72%以上非搭載式で63%以上の熱効率の性能が求められています。

この引用を元にして、簡略化した試算をしてみます。

熱効率をざっくり6割とすると、4割の熱エネルギーは寒い屋外へ放出されているのです。

私の住む暖かいと言われる瀬戸内地域で、冬季の暖房をすべて薪で賄うと約6tもの乾燥薪を必要とします。

非触媒搭載型(例えばクリーンバーンストーブ)で6tの薪を燃やしても6割の3.6t分の薪しか暖房に生かすことが出来ず、あとは煙突から屋外へ排出されているのが現状です。1年前から準備した乾燥薪の約4割ものエネルギーは煙突内部の浮力発生の為屋外排出されるのは非常にもったいないと私は考えます。

薪の消費が少なくて済むと言われているロケットストーブも、発生した熱を石や土で作った蓄熱部分へ発生した熱を保存することで発生した熱の廃棄を減少させていると考えます。仮にロケットストーブの熱効率が8割だとすると、従来型と同じだけの熱量を取り出そうと思えば4.5tの薪を用意すればいい事になります。

同じ熱量を取り出すのに従来型薪ストーブは6tロケットストーブは4.5t その差は1.5tにもなります。年間薪消費量が35%も減らすことが出来るのなら

生木を割る作業、乾燥薪を作る場所、薪棚からお部屋まで運搬する労力など薪ストーブにまつわる日常作業の全てが使っている間中ずっと低減されます。

そんな状況をグラフに表すとこうなります。

薪ストーブを使ったことのない人は経験が無いので今一つピンとこないかも知れませんが、薪ストーブを導入している知人の多くは導入後の薪にまつわる労力が一番大変だと言い、弊社のストーブの燃焼を見て多くの人がご自宅で見る光景と異なる事に驚かれます。

 

では、単にロケットストーブだと金科玉条に良いのかと言うとそうではないと私は考えます。重要なポイントは燃焼温度は高温で排気温度は低く、燃焼によって発生した熱量を最大限お部屋に放出するよう設計されたストーブでないと従来型と同じく屋外へ排出する熱が多いからです。

ゆっくり燃える状態を作るには空気の流量を減らす事が効果的ですが、単に吸気を絞ると酸欠でくすぶった状態になりまともに燃焼できません。

実証実験

特許を取得したロケットストーブは燃焼温度が高く煙突の排気温度が低いのが特徴です。

従来型薪ストーブと比較しても完全に燃焼温度が高く、排気温度が低いのが特徴です。

ですので、従来型薪ストーブと比較して少ない薪の量でお部屋を暖めることが可能になります。

では、その様な考えに至った理由は、自社評価ながら何回も燃焼温度測定を行い、比較実験を行った結果得た答えです。

比較対照するものが無いと判断の根拠がないので、自社で作ったクリーンバーン薪ストーブと比較しました。

温度測定は2台の薪ストーブを並列に並べ、同時に温度を測定しました。

そしてもっとも大きな違いは、ロケットストーブはシングル煙突、従来型は2重煙突を接続しての実験です。

こんな事は常識では比較にならない位、圧倒的にシングル煙突のロケットストーブの方が不利な条件ですが結果は真逆でした。

燃焼温度比較測定

(従来型薪ストーブ温度測定結果)

どちらのストーブも、一番高温になる燃焼部分と、4Mの煙突トップにエルボを取り付け熱電対で測定しました。

グラフ上で上側の線が燃焼温度、下側の線が煙突の排気温度となり太線で囲まれた部分が暖房に熱を利用できたと簡略に解釈しています。

なので、なるだけ太線で囲まれる面積が大きい方が熱効率が良いという事になります

目視で見る限り、従来型薪ストーブもゆっくりと燃焼を行い傍らで手をかざすと暖かいのでなんら不満を感じることはありません。

しかし、弊社の発明したバッフルを搭載したロケットストーブと比較すると性能の差が歴然とわかります。

(弊社ロケットストーブ温度測定結果)

従来型の薪ストーブ温度測定記録が完全に太線の内側へ入っているのがお分かりになるでしょうか。

途中薪を切らしてしまい燃焼温度が下がっていますがほとんどのパートでロケットストーブの方が燃焼温度が高く、排気温度が低いのがグラフを見て一目瞭然かと思います。

太線に囲まれた部分が暖房に使用した熱なのです。 厳密にはフローが関係し偏微分を使って体積を計算するのが良いですが、簡略に温度特性比較を掲載しております。

これがチャンピオンデータかもしれません、なので何度も測定を行いましたが明らかに弊社発明のロケットストーブの方が燃焼温度と排気温度に囲まれる面積が大きかったです。

データにはばらつき(分散)が必ず存在し、ひょっとすると従来型薪ストーブの方が良い結果を生み出すことが有るかも知れません。データを積み重ねると中心極定理により、分散の少ないデータを作り出すことが可能ですが、今のところ正しいデータよりも従来型薪ストーブとの熱効率比較の実証が重要なので現状はこのような結果を提示します。

2つのグラフを並べ上がロケットストーブ下が従来型薪ストーブを並べるとこのようになります。

どちらの方が暖房に有利なのか、一目瞭然ではないでしょうか。

まとめ

オリジナル燃焼機構を搭載した弊社の薪ストーブが従来型と比較して暖房性能が優れていると数値説明させて頂きました。

お得だという理由は、このような従来にはない温度特性を指します

いくら口頭で感覚を発言しても、人の感覚は十人十色だし何か1つの指標を基準にしないと比較する事が出来ません。

最高温度800度にも達する燃焼部分は、煙すら燃やし切り本体が温まれば煙突から排出される煙はごくわずかとなります。

最高温度が高いので本体の耐久性を気にされるかも知れませんが、熱摩耗を考慮して肉厚のステンレスを使用しており弊社の実験では熱による摩耗等は見受けられません。

高い温度と低い排気温度の差を効率的に作り出すカギとなるのがオリジナルバッフルなのです。

ではバッフルの効果が本当にあるのかと疑問に思った私は、同じ装置で同じ燃料を使い統計的手法を使って比較実験を行いました。

そのお話はまた別の機会に書きたいと思います。

 

 

 

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Comment

  1. 岸本 励 より:

    こんにちは。いつも楽しく拝見させていただいています。

    従来型のものとヒミエルストーブの排気温度の違いが明確に数値化されていてとても興味深く読ませていただきました。
    少し疑問に思ったのでご質問します。

    ヒミエルストーブはロケットストーブでありながら排気ダンパーを絞ることによって空気量を絞ってゆっくり燃焼させることができるのですね!
    この実験ではヒミエルストーブと従来型との比較をする際に煙突から排出される空気の量は同じくらいなのでしょうか?
    例えば煙突の排気温度が180℃で排出空気量が毎分10㎥の従来型ストーブと、排気温度が90℃で排出される空気量が毎分30㎥のロケットストーブなら、後者の方が排気温度は低くても煙突から捨ててしまっている熱の総量は多くなると思います。
    また、ストーブから発生する熱の総量を考えるときに、高熱を小範囲の一点で発するロケットストーブと広い燃焼室全体である程度の温度で燃える従来型ストーブを比較する場合はストーブの一部の最高温度だけで比較するのではなくストーブ全体から発せられる熱量の総量を比較できれば良いと思うのですが、それを数値化するのはなかなか難しそうですね・・・

    私も薪ストーブの魅力に取りつかれてしまったクチで効率の良い従来型の薪ストーブを作るにはどうしたら良いかを考えていました。「従来型では排熱温度はあまり下げられないので、それならなるべく排出量を減らせば燃費はよくなるのでは」と思いコメントさせていただきました。

    薪ストーブの仕組みや考察についてネットを検索していてこのブログを見つけて食い入るように読んでいる途中です。
    ちゃんと経験とデータに基づいて書かれているので凄く参考になります。

    私もいつか実際に燃えているヒミエルストーブを見てみたいです!

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