薪ストーブの火事について
直近の話なので詳細は記述できませんが、知り合いからの連絡で薪ストーブによる火災発生の情報を教えて頂きました。
幸いにも人命が犠牲になる事は無く、建物だけがすべて燃えてしまったそうです。写真を見せてもらうと、そこには無残にも炭化した骨組みだけが残っているだけ。
設置状況を確認すると20年くらい前のクリーンバーンモデルに煙突はオールシングル施工で途中45度に折り曲げていました。
消火後の煙突内部は炭化してうろこ状になったカーボンが付着しており、煙突掃除の履歴が気になるとともに火事が発生してからでは時間の針を戻すことが出来ないので定期的なメンテナンスが如何に大切かと改めて感じました。
生命の値段をカットするのが正解なの?
私自身10年以上薪ストーブの仕事を行いその間、良心からシングルを使い換気扇の貫通部分を使って壁出し施工を行う大工さんを数人か目撃しました。
火事が発生した場合のリスクを考慮せず、単に導入時の値段だけを考えるの有れば非常に合理的だし問題は無いでしょう。しかし私と明確に異なる価値基準があって、もしかして煙突火災が発生した場合高確率で家が燃えてしまう施工を施主様も受け入れている状況を良いとは思えません。
最悪の状況を知らないで施工するのであれば未熟だし、知っていて実施するのであれば邪悪。
どちらにせよ、機械を知らない素人が自動車整備をする様なものと発注側が勉強しなければ何かトラブルが発生するまで危険に気付くことは無いでしょう。
2重煙突ってシングルよりも高価格なのは否定しませんし、私だっていい値段すると思ってます。
でもね、1/10000の確率でもボヤが発生すると家を守ってくれるのは2重部分の断熱材なのですよ。そして煙突メーカーはその辺りの耐熱試験もしっかりしてくれているので安心。
なので、私の製品でシングル施工を希望されるお客様へは火事が発生した場合の責任を持つことが出来ないので自分で設置してくださいとご案内してます。
火事の理由は煙突掃除の放置が殆ど
それでは火事が発生する理由の殆どは煙道火災が原因。
プロが設置する場合、ストーブ本体からの輻射熱を遮る施工を行っているので本体が原因になる事は考えにくいし導入後何年も使用して火事が発生するのは煙突掃除を怠った結果が多い。
すべてとは断言出来ないけど、それ以外の話を聞いたことが無いので事例が有れば勉強のために教えてください。
そして煙道火災の責任はユーザーに有ります。
どう考えたって本体から火の粉が舞い上がる構造の暖房器具なのに、煙突内部に可燃物を放置する恐怖は想像するだけで放置できません。
なので、自宅の煙突掃除を行い自身の煤発生状況を定期的に観察するのは非常に大切なルーティーン。
そして、煙突火災の話を聞いて恐怖を感じ心配になる人は恐らく大丈夫な方々で、話を聞いても単に音の波動として聞き流してしまう人が要注意なのだけど、そういう人に限って楽観的な方が多いと感じてます。
すべての結果責任は自分が負うのでどちらの性分でも善悪など無く、気分よく薪ストーブライフを送って頂きたいのですが、私的には最悪の事態が起こらない状況を維持する事が非常に大切だと考えたので記事を書きました。