蓄熱ストーブサウナの改良に立ち会う

去年の7月に煙突工事を行った京都府美山町にある蓄熱ストーブのオーナー様から煙突経路の改造を依頼されたので現地確認と出力特性の改造を行ったテストの立ち会いに行って来ました.
施設のリフォーム工事終盤に私の工事パートは終了したので完成した施設に行くのは初めてだったのですが、非常におしゃれな空間に仕上がっていました.

工事の時には無かった前室も備わり、元の面影が分からない位に内部は仕上がっておりました。
私が依頼された改造と言うのは、多くの蓄熱ストーブに備わっている遮断式のダンバーを既存経路に追加して欲しいと言うものです。
蓄熱式ストーブなので数時間薪を炊いて本体へ蓄熱を行い、炭や灰を全て取り出して余熱でお部屋を加熱する構造なのですが、なるべく煙突からの排熱を削減する事をご希望。 とは言え、もう出来上がった経路に都合よくデバイスを追加できる隙間なんて無いし、途中45度で折れ曲がっているから煙突を全体的に持ち上げるのも大仕事なので避けたいなどと考えていると良いアイデアが浮かんできません。
大体良いアイデアが浮かぶ時って解決方法の探索を一旦忘れ、ぼーっとしていると解決の手段が空から頭の中へ降ってくるので、盲目的に考えても同じ場所をループしちゃう。
今回は訪問前に施主様と話し合える様に対応策を考えていたのですが、現場に到着し現在の姿を眺めていると解決のソリューションを思いつきました。
それは、既存の全長300mmのダンパーを撤去して150mmの煙突に変更しダンパーを自作加工。そして確保した150mmの隙間に遮断式ダンパーを追加するという事。
施設の停止時間を最短にするため、部品交換だけで対応できるようにしたのがポイントかな。
あとは遮断部分の設計に入るのだけど、全く未経験の設計なので適正板厚や経年劣化など見切れないポイントばかりなので、適宜模型などを作りながら探って行こうと思ってます。

煙突改良の話し合いが終わった頃に、施設設計を行った建築士さんとカメラマンさんが到着したので皆で改良した蓄熱式サウナを体験。
個人的な特性なのですが、私は暑い空間にとても弱いです。
夏の合気道お稽古も一番最初に熱中症になってしまい、途中で休憩することも多く銭湯に備わっている激アツサウナも苦手。
しかし、蓄熱式サウナって時間の経過と伴に少しづつ暑さが緩くなってくるし、一番下に座れば汗もかかずにほんわかとした快適な温度になるので、初めて3時間もサウナに入る事ができました。
サウナに使用している蓄熱ストーブの背面は土蔵の前室と繋がっており、お部屋全体を温めているのでサウナの2Fはポカポカの快適空間です。 サウナ入口のドアと2Fの窓を開放している状態でお部屋が暖かいのは驚きで気密の低い場所での蓄熱ストーブの運用は良い組み合わせではないかと考えます。

12時に到着し、全ての用事が終わる頃には午後6時に。
炎が消えて放置しても緩やかに暖房を継続する蓄熱式ストーブって魅力的だな。