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第46回職人起業塾振り返り

 
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結論

私は日々客先の、鍛造機を使った量産工場の現場でヘルメットをかぶり、安全靴を履いて実作業している職人です。

私は19歳からこの業界に入り、その頃からずっと顔見知りの同年代の職人達も親方になったり、20年前と変わる事無く

仕事終わりの一杯を何よりの楽しみに日々作業をこなして居る人などそれぞれですが、

私の主張として

「現場作業員こそ勉強を継続して、自分のブラッシュアップを行い、実務と理論を学べば一流へのファストパスを手に入れる可能性がある」

なぜなら、競合は限りなく少なく、需要は多いからだ。

ドラマの台詞じゃないけれど、事件は現場で起こっており、現場体験を活かした精度の高い現状認識が的確な状況判断と行動決定を可能にし、現場体験こそが作業精度を向上させる唯一の方法だと思うからです。

正確な認識と、素早い判断はどの業種でも求められるスキルだと思うし大切な脳力だと思います。

では、作業の精度は仕事を継続する事により技能向上を図ることは出来るけれど

仕事の技量を上げるには何が有効なのか?

私は勉強の継続がかなり効果的では無いかと思っています。

しかし、毎日作業服を絞ると汗がしたたり落ちる位、目一杯働いた後、ビールを我慢して疲れ切った身体を横たえること無く机に向かうなんて、テンションの下がる苦行と感じるのは仕方のない事だと思います。 私だってそう思っていました。

そして残念な事に、勉強する事が短期的な利益に結び付くこともほとんど無いと思います。勉強に費やす膨大な時間は、一切の金銭的価値を生むこと無く時間と費用を消費して行きます。 

なので、一見30代を過ぎたおっさんが、時間とお金を勉強に投資するのは割の悪い投資に見えるのは仕方ないと思います。義務教育とは違い、大学や大学院で学ぶ学費もバカになりませんし、責任ある仕事のマネジメントに追加して勉強時間を捻出しなければならないので、最初から完璧を求めると心が折れそうになります。

しかし、一見損に見えて誰も見向きしない事こそ万馬券に化けるチャンスが有るのでは無いでしょうか。

勉強を10年以上継続し、努力の成果を求める事すら忘れて、日々机に向かうことが習慣となった今感じる事は勉強する事により問題解決能力が10年前より格段に向上した様に感じることが出来ます。

本当に些細な努力を淡々と継続出来る様に自分の行動を習慣化するプロセスにこそ能力向上の秘訣が有るのでは無いかと推測します。

 

今回のテーマは、仕事(成し遂げる結果)>作業(やり遂げるプロセス)とし、私にとっての作業と仕事は何かと言う事を問われました。

 

 私にとっての作業と仕事

私の作業は、機械修理や装置設計、製缶実務です。

私は高校を卒業してからずっと現場で機械修理や工程改善に明け暮れていたので仕事と作業を切り分けて考える概念がありませんでした。ですので手っ取り早く目に付く作業精度の向上ばかりに注力していました。数年前まで私の仕事とは、自分の身体を駆使し、疲労感の大きさと比例してその日は大きな仕事を終えたと満足していました。

作業ばかりに目が行っていたので、当時は先の事なんか考える視点は皆無でした。

私の仕事は

1)異分野、異業種の方と交流することで新たな視点を得ると伴に、自分に備わった技能が異分野で転用活用できるか探索と検証を行う事。

2) 技術の伝承 です。

身体を動かして満足することの限界点

07年に脱サラで軽トラ1台から仕事始め、創業後5年位は目の前の繁忙と、身体を動かすことに安堵していました。

転機となったのは09年のリーマンショックで、一気に仕事量が干上がり先の見通しも立てる事が出来ない中、下請けのまま過ごす事に本当に強い危機感を覚えたのがきっかけで技能向上とは別の視点がなければ、一旦景気が悪くなると一気に倒産するんじゃ無いかと言う恐怖から逃れる方法ないかと、あれこれ探していました。

その当時は放送大学に在学中で、人生で初めてしっかりと机に向かって勉強する事を始めた時期です。

放送大学進学の記事はこちら

学ぶ事で得られる気づき

創業して4年が過ぎ放送大学を卒業出来る必要単位が射程圏内に入った頃、いくら技能向上しても経営の理論を全く知らない事に危機感を感じた私は、経営の一般的理論を学べるビジネススクール進学を決意しました。

入学して伴に学ぶ同窓生の中で、ガテン系の現場作業員は私だけでした。基本的学力が圧倒的に劣っていた私には授業について行くだけでも必死でしたし、プレゼンや授業でも一番重要な主張がなんなのか理解できる脳力が絶望的に不足していました。

しかし、製造現場のオペレーションを知っているからこその強みや、説得力の強さなど、現場作業の経験が役に立った事も多々有りました。 

多くの事を学びましたが、会社も生物も諸行無常、事業環境が常に変化する中でいかに風向きの変化を察知して、環境変化に適応する事が大切だと学びました。

キャンパスライフを経験したことの無い私にとって、大学院はとても楽しい学びの場所で有り、仕事で会うことは絶対に無い異分野の学友と出会えた素敵な場所です。

学ぶだけでは道半ば

大学院を卒業し、卒業証書をもらう事は一つのマイルストーンなので嬉しいですが、いかに実生活に活かすかがもっと大切な事だと思います。

しかし、知識を手に入れてもどのように行動を起こして自分の影響力の輪を高めて行けば良いのか、頭に思い浮かんだ事を実際に行動を起こし、少しずつでも現状を変化することが可能になるのか。

方法論は思い浮かべど、実際の行動は伴わず、また行動を起こしたとしても目的と目標の焦点が定まっていないので、何だかブレブレで変化のスピードがやたら遅い現状に一体どこから手を付けて行けば良いのか、手がかりが全く無い状況で一人もがいていました。

職人起業塾に参加する事で得た「かけ算的」思考

職人起業塾の講義を始めて聴いたのは2016年8月なのでちょうど1年前です。

職人起業塾の凄い所は、行動変容を伴った自己認知を強力に支援してくれる事です。

方法論や理論、知識を得るのであれば各種勉強会、学校などでも十分満足できるカリキュラムを提供してくれますが、職人起業塾以外で行動変容を喚起してくれる勉強会に出会った事が有りません。

自己啓発セミナーや泊まり込みの高額セミナーなどとは全く異なるアプローチで、参加者各々のレベルに応じた内発的行動に伴う習慣化を主眼に据えて居る所が本当に凄いです。

今までは頭でっかちで知識コレクターだった私が、職人起業塾に参加する様になってから行動を起こすことの大切さと、影響力の輪を高めるには自分自身を変化させることしか無いと感じる様になり、新しい行動を起こすことに恐怖を感じながらも、新たなアイデアに挑戦出来る様になってきました。

行動を起こす上で、進むべく道を選ぶ時に、今まで学んだ知識が結構役に立ちます。

なので、行動と知識の両輪を備える事でかけ算的にアイデアが浮かぶのでは無いかと思っています。

まとめ

結論の復唱になりますが、職人で勉強を継続している人は圧倒的に少数派だと思うので、少しだけ意識を変えて学びを深めて行くと自身の分野で卓越した存在になれるのでは無いでしょうか。

私は、大学院を卒業して4年が経ちますが今でも机に向かい自分が設定した課題をこなしています。

今は習慣化して、「勉強=苦しい、しんどい」など感じる事は無くなり、本当に僅かずつですが、理解出来る範囲が増える事に喜びを感じます。

とは言え、まだ何も結果を出せていないので今からが勝負だと思っています。

そして、自分を高めてくれる場所を提供して下さるすみれ建築工房で開催される職人起業塾には感謝しか有りません。

 

 

 

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