長時間暖房を求めての実験
何度かブログに書きましたが、夜火が消えてから朝まで燃焼が継続する事をお求めになるご相談が有ります。
そういった場合の回答はテンプレ化しており
「すみません、僕の技量でその機能を達成する事は不可能ですのでどこに売っているのかは存じ上げませんが他所をお探しする事をお勧めしますと」回答させて頂いております。
市販ストーブでも燃焼室に沢山熾火を作って、2~3㎏の大容量を燃焼室に投入しダンバー開度50%位で運用すれば大丈夫な機種もあるとは思うのですが、ウチで作っている機種ではそんな大量の薪を燃焼室に投入する事は不可能ですので無理だと考えています。
勿論、単なる思い付きでは無く燃焼室が大きなストーブを作って実験しての回答なので個人的には自信があります。
このストーブを作るのに結構時間を投入したけど、不満点が続出するし、構造的な制約が大きく今ではオブジェになっちゃいました。
この大きな燃焼室を利用して乾燥した玉切りを2~3個目一杯詰め込んだとしても2~3時間で燃え尽きてしまい、一晩中燃焼を継続する事は僕の技量では不可能だと悟りました。
出来ない事が分かっただけでも幸運とは言え、投資した時間を考えれば大きな回り道だと今でも思います。
蓄熱しましょう
そんな出来ない絵空事を追いかけるのは止めにして、今年は蓄熱構造の考察を行っています。
手順は簡単で、単に天板へレンガを置くだけ。
11月の気候だと朝10時位から3時間燃焼させれば火が消えてから4時間経過してもレンガは暖かいです。
最近お気に入りの細割燃焼で焚き付けを行い、一気に温度を上げて行きます。
去年までは極太薪を投入する事に心血を注いでいたけど、最近はこのサイズを投入してダンパーを絞り込みゆっくり燃やしています。
太い薪を投入するのは、お昼寝や仕事に没頭して薪の追加が出来ないと事前に分かっている時に行います。
この様に、状況に応じて燃焼具合を調整することが薪のトータル消費量削減につながると考えます。
お昼の12時に最終の薪を投入し、17時の状態。
オーブンの温度計は50度くらいまで降下して、本体の鉄板を素手で触ることが出来ます。
しかし、天板にのせているレンガは80~90度を保ってホカホカしてます。
燃焼室内部にも余熱が残っているからあっという間に再点火が可能でした。
気密の高いお部屋だと充分暖房効果が発揮されるのでは無いかと推測します。
まとめ
もう職人芸的燃焼操作や大きな燃焼室が必要な一晩中燃焼の事は一旦忘れ、シンプルに蓄熱体に熱を貯めると言う方法が長時間暖房に適していると個人的には思っています。
だって、簡単な上に効果が分かっているから。
韓国で見たレンガ作りのロケットマスヒーターやアメリカのメイスンリヒーターなど、石つくりの蓄熱式ストーブはどれも長時間暖房に適しているので僕の見立てが大きく外れている事は無いでしょう。
あとは、天板に石を置いちゃうと使い勝手が悪くなるってのはその通りなので、それは何を優先するかユーザーが決めれば解決するでしょう。
とにかく、せっかく薪を燃やして発生した熱をなるべく有効利用できない物かと考え今年は実験を重ねて行きたいと思っています。