燃焼構造の改善

2025年の薪ストーブシーズンも残り僅かになりました。
今シーズンはヒートライザーを構成する素材をステンレスから耐火レンガへ変更したり、既存のお客様へはサイクロンチューブに変わる新たなご提案を検討したりと変化の多い冬でした。
2024年の秋にサイクロンチューブに変わる部品のご案内をしたところ、4人のお客様が導入をご希望して下さったので先行して今シーズン使用して頂きました。
交換作業は非常に簡単で、サイクロンチューブの部品を取り出して45度にカットした耐火レンガをヒートライザー内部へ設置するだけになります。
部品の構成は記事のヘッダー写真になり、真上から見てカタカナのコの字に並べるとOK。


完成形の写真を見れば一目瞭然。
こんなレンガに変えるだけで何の効果が有りますねん?と思うじゃないですか。
でもね、効果絶大なんです。
木が加熱されて発生する木質ガスや煙が耐火レンガのエリアに吸い込まれると、レンガが600度以上に蓄熱しているのでサイクロンチューブを使用しなくても驚くほどキレイに燃焼します。
また、一番高温が発生して金属の摩耗が進行する部分をレンガで保護するので本体の寿命延長にも効果が有ると考えてます。
そして、破損した場合のコストも非常に魅力的。
昨今のステンレス材料費高騰は非常に厳しく、サイクロンチューブ一式を新規に更新しようと思えば送料別で税込み2.5万円が必要になるのですが、耐火レンガは1個500円程度なので送料を入れても総額3000円+αで収まります。
ここまでが2024年の秋に思いついた私のプランニング。
そして2025年に入り、先行して試用してくださったお客様のご感想をお伺いすると皆様から良いご感想を頂いたので私の見込みは正解だったと確信し、今回公表させて頂きます。
あとは、ご自身で部品を交換して違いを感じて下さい。
ストーブの基本形が出来上がっても、納品後の摩耗状況を観察する事で常に使用部材を進化させるだけでなく既存の顧客へも簡単な部品交換で性能を維持出来る様にアイデアを出すのは、結果だけを見ればアホ見たいに簡単に見えるけど、そこはコロンブスの卵的要素が有りまして、アイデアが課題解決の芯を捉えているのか時間を掛けた検証が必要でありこの様に公表するまでには無数の失敗や表に出ない試行が沢山あります。
そして、その積み上げた失敗の引き出しこそが私の財産かな~と思ってます。