発明奨励コンペ参加感想戦
発明奨励コンペと言う物があると仲良くして頂いてる商工会議所の部長さんから教えて頂いたのは去年の12月でした。
そんなコンペに出場した経験も無くどんな物か気になったので、テーマは薪ストーブに関する特許技術ですが、参加を決意し先ずは最初のハードル書類選考の資料作りから着手しました。
書類選考
どのような感じで書類を作って良いのやらさっぱり分からなかったので、商工会議所からのご紹介でものつくり支援センターの相談員の方に応募書類の作成支援を依頼しました。
まず最初に着手しなければならないのは、薪ストーブの事など全く知らない支援員のTさんへ発明技術の経緯や理論、有効性など自分の考える範囲で書類を作り私の考えを伝える事でした。
薪ストーブの全く知らないといえども流石、元製鉄メーカの技術者だったTさんは流体や燃焼の理論を整然ととりまとめ、どのようにストーリーを整理すれば良いか的確にアドバイスしてくれました。
おバカな私は当初、効果があると言うのならその証拠を集めないとダメ、優位性があると言うのなら比較対照群が必要など、とにかく自分の勝手な想像では無く事実やデータから得られる推測をベースに、薪ストーブを知らない審査官へ優位性をアピールする書類作りを指導してくれるTさんをメンドクサイおっちゃんやな~と感じていました。
けれども、指導して貰った翌日に指導内容を振り返ると、必要不可欠な内容を的確に網羅している事に気づいたので、頑張って文章を書き上げました。
参加を決意したのが応募〆切の3週間前だったので、初稿作成から激烈な早さで改訂を繰り返しました。
Tさんが加筆してくれた添削を夕方にメール受信すると深夜まで掛かって加筆訂正し翌朝には送信。
とにかく訂正の指導を貰ったら、翌朝には精度の高い文章で返信できるよう年末にもかかわらず余裕時間のほとんどを書類作成につぎ込みました。
文章作成と平行し、温度測定のデータ収集を何パターンも行う為、温度測定の熱電対を買い込み実験を行いながら夜はデータのグラフ作成に勤しんだのも今は良い思い出です。
必要に迫られれば人間出来る様になるもんだと再確認しました。
いままでエクセルのグラフや、ワードに表を入れたり、罫線内部に文章を書くなんてどうすれば良いのか知らなかったのに、切羽詰まるとグーグルで検索しながらあっという間に出来る様になりました。
そんな書類はあっという間に提出期限の年末を迎え、〆切最終日に提出! あとはプレゼンの参加を待つのみです。
プレゼン審査
発明コンペの前にMBAの卒業生が集まる勉強会での発表などプレゼンを行う練習機会が何度かあったので、今回のコンペを意識して話し方やスライドデザインを練習していました。
そしてプレゼン審査当日
参加14社の中から3社程度入賞するそうです。そして私の発表順番は1社目。
審査官は工学部の先生や工業試験場の人でした。
開始時間になり市役所の担当者からは「それでは、プレゼンをはじめて下さい。」 その言葉で僕の戦いは幕を開けました。
不思議と緊張する事は無く、事前に何度も練習したプレゼンをアドリブを入れる事無く、制限時間内に終わらす事が出来ほっと胸をなで下ろす間もなく、質疑応答に入りました。
私のプレゼンテーマは商品開発とビジネスイノベーションの話だったのです。
しかし、審査官からの質問は
電気やガスを越える高効率を薪で賄う事を考えないのですか? もっと火が見えるようにしないの? デザインが気に気にくわない。など私がお伝えしたかった論点を一つも踏んでくれること無く、話が噛み合わないまま制限時間を迎えました。
プレゼンを終えて
プレゼン会場を後にして、エレベーターで1Fのロビーで缶コーヒーを飲みながら質疑応答の内容を思い返すと、現状からの前提条件を積み上げ、データを作成して作った資料は全く役に立たず、審査官の個人的感性の意見表明を聞くだけの実り無き時間に力が抜けちゃいました。
資料作成やプレゼンを行う経験は無い素晴らしい物でしたが、正直に告白すると全然楽しく無い場所だったので、こういった場所には参加するのはしばらくお休みでしょうか。
学識経験者が選ぶ製品はさぞかし素晴らしい物だと思います。
次の目標を求めて
午前の間にプレゼンを終え、気分転換に午後は母校の大学院へ指導教授を訪ねに向かいました。
入試を終えたばかりのキャンパスは人気も無く、教授の研究室は相変わらず大量の本が積まれ、時間が止まったように昔と同じ雰囲気を醸し出していました。
研究室の扉をノックして中からの返答。 この感じは5年ぶりです。
そして、午前中の話を手土産に今後の目標設定について相談すると、論文投稿をご提案頂きました。
卒業以来論文なんか書いていないし、テーマ設定から考えなきゃ行けませんが何だか楽しそうなので、もう少し実務でネタが溜まって来れば論文投稿して見ようと思います。
まとめ
行動を起こすことを決意して、結果が不本意でもその経験を次の行動を起こすきっかけに活かせれば良いのかと前向きに考え今後も気張って行こうと思いました。
先生からは高校物理を学んだ方が良いよとご指導頂いたので、早速注文しました。
プレゼンは終わりましたが、学びに終わりはありません。