秋に納品するKD01の完成
五月連休を費やして製作していたKD01がやっとこさ完成してテストを行う事が出来ました。
本当に一体どれだけの時間を費やせばいいねん!と思うくらい手間をかけて作り上げたので心に引っかかる改善点は見当たりません。
塗装
耐熱塗料の塗装っていつまで経っても慣れません。
塗装が上手な友人に質問しても「しゃぶしゃぶにすれば良いんですよ!」と親切に教えてくれるけど実際の加減が良くわからいのです。塗料が硬ければ塗装膜にブツブツの粉が吹くし、薄いとうまく色が乗らない。
その間の絶妙ポイントを調合するんだろうけど、今だうまく行った事がなくて今回も手探りで塗装に着手しました。
いつも塗料の飛びが今一つ弱いと感じていたので、今回はいつもより沢山シンナーを入れてみたら良い感じで塗装できたので、なんとなくだけどいい塩梅のシンナー加減を掴むことが出来たかな?
塗装で一番面倒に感じるのは鉄板の端面。
エアガンで吹くと塗りムラになりやすいから、気を利かせて面相筆で事前にペンキを入れたら表面まで塗料が飛び出してしまい、僕の望む面一の仕上がりになっていません。
このままお客様の元へ納品するのは嫌なので先ずはサンダーで塗装膜を除去してみます。
このままの状態で塗装しても塗装膜の段差が消えなくて見栄えが悪いので、結局耐熱塗料用シンナーで塗装をすべて剥離しました。
耐熱塗料は加熱硬化するまではシンナーで拭くと色を落とす事ができるので、こういった場合便利ですね。
そして一晩乾燥させた翌日部品の組み付けを行います。
全てのネジには焼き付け防止のモリブデングリスを塗布します。
ストーブの熱で油分は揮発するけど、モリブデングリスのお陰でネジの焼き付きを防止できるから必須のひと手間なんです。
ブログを読んでいる人も、ネジ部分にはモリブデングリスやブレーキパッドグリスなんかをネジ部分に塗布すれば分解する時、楽にネジを緩める事が出来るのでお勧めします。
燃焼テスト
KD01を作るのは去年の12月以来なので約6カ月ぶりになります。
テストを行わず納品すると、万が一の不具合があった時に取り返しがつかないのと初回の加熱で耐熱塗料から猛烈に臭い煙が発生するので空焚きを兼ねて工場でテストを行います。
とは言え、今となっては何の不安もなくいつも通り粛々と点火を行うのみ。
まっさらな燃焼室へ焚き付けを詰め込みます。
燃焼室のドア以外は遮熱板を備えているのが良くわかるでしょうか? 熱によって本体が朽ち果てるのを防ぎ、遮熱板を交換する事で本体の摩耗を防止します。
遮熱板はネジに引っかけているだけなので、ワンタッチで交換できます。
気温は27度でしたが、勢いよくドラフトが発生してゴゴッーと上昇気流が発生します。
あとは、いつも通り薪を追加して本体の温度を上げて行きます。
そしてオーブンの温度が150度くらいになるころを見計らいダンパーを絞って巡行運転に突入します。
あとは放置するだけで緩やかに燃焼を継続します。
焚き付けから巡行運転までの様子を動画にまとめてみました。
まとめ
昨シーズンは手元に使用可能なKD01が無かったのでSD01で過ごしていました。
久しぶりにKD01を使ってみると、どちらが良いかと言うのは無くてそれぞれ個性が有って、自分の要望により使用機種を選ぶのが良いかと思いました。
KD01の特徴はズバリ高燃費!
薪の樹種や使い方により変化するけど、空気の余熱や本体の構造が高燃費の引けつなんじゃないかと思っています。
あとヒミエルの特徴で、点火から4時間経過したガラスは一切の曇りなくクリアーに燃焼室内部を観察する事が出来ます。
このストーブは山梨県へ納品するのですが、お客様の元で元気に活躍してくれたら嬉しいですね~