ヒミエルストーブ

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薪ボイラーを考えてみる

 
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先週は寝込んでいましたが、8割方回復したので今日から平常営業を再開しました。

寝込むと言えども通院やちょっとした買い物に出歩く事も有り、その中で一番困ったのは和式便所にしゃがめなかった事かな。

膝下に巨大な腫れがあって、しゃがむと脚に激痛が走るのでどうしようもありません。

和式便所って、膝が悪いと使い勝手が悪いと自覚出来たので工場の便所も何らかの改装をしようと計画しています。

敷地内に下水升が来ているので普通に水洗化するのも全然有りなんだけどそれじゃ面白く無いので、以前から興味のあったコンポストトイレに挑戦してみたいですね。

ヨタはなしはこのくらいにしておいて、お客様からご質問頂く薪の熱利用について僕の考えを書いてみます。

薪ストーブのボイラー利用

薪ストーブの内部に銅パイプを配管して温熱利用する物から、でっかい水槽の中で薪を焚いてお湯を沸かしお湯の中にコイル状に巻いた熱交換機でお湯を作る本格派までボイラーには沢山の種類があります。

 

私は一応ボイラー技師2級の資格も持っており、おまけに薪ストーブの製作もかなり多様なパターンを作り込んだ経験から今の意見を言わせて貰えば

 

室内暖房用の薪ストーブに銅管などを追加してお湯を沸かし熱利用に使用するシステムは、ゆっくり燃やして燃費を稼ぐ為に必須の煙突内部の高温を保つのが不利なので、本格的な温熱利用は厳しいと考えます。

 

何故かと言うと、理由は簡単。

煙突内部が高温に保たれて浮力が発生することでストーブ内部が負圧になり空気が吸い込まれて力強く燃焼する。

一番重要なのは煙突内部を高温に保つと言うことです。

 

けれども、薪を燃やすことで発生した熱を水に移動すれば煙突内部を通過すべき温熱が途中で減衰してしまい、ドラフトが発生しないので全く使いにくい構造になると想像する。

そりゃ、そんな事言っても世間には自然吸気型薪ボイラーは販売していますが、火力調節機構が付いていますか?

ダンパーを絞ったり、空気を絞って長時間運転を可能に出来ますか?

そんな事をすると失速モードに突入するので、とにかく全開で焚き続ける事しか出来ないんじゃないかな?

 

ボイラー専用の製品については何も言うことは無くて、薪ストーブにボイラーをビルトインするのは、一見効率がよさそうに見えるけど実はどっちつかずになるんじゃないかと考えています。

メンテナンスから考える

(前提条件)

普通の薪ストーブに銅パイプを仕込んでお湯を作り、床下にパイプを設置して床暖房。

このシステムは昔「ビフォーアフター」で見たのですが、一見簡単そうなシステムだけど維持管理の事は全く考慮されていなかった。

 

銅管でもホースでも何でも良いけど、水を同じ管内をずっと巡回させると藻やスライム水分中のシリカが固まります。

水道管ですらサビが発生したりするのに、僅か内径φ10位のパイプ内部を10年以上にわたり清潔を保つことなど出来るのでしょうか?

水道管は使用する限り常に水が流れるけど、ぐるぐる巡回して減った分だけ継ぎ足す仕様をどうやって掃除をするのか?

おまけに最初のエア抜は水道圧を掛けて管内の空気をしっかりと抜いてやる必要があるのをユーザーはしっかりと認識しているのかな。

 

シーズンオフに約半年間放置される事を考えたら、もっと作り込みが必要だと私は考えます。

ヒミエルストーブの考え

ヒミエルストーブは、薪で発生した熱を水へ移動させれば

  1. システムが複雑になる
  2. 複雑になれば壊れる可能性も増える
  3. 値段が高くなる
  4. 燃費が悪くなる

などの理由で本体に温水システムを組み込む事を考えておりません。

シンプル イズ ベスト。 シンプル イズ ストロング。2兎追う物は1兎も得ず。

自然吸気型で薪ボイラーを作る事は今のところ全く考えに無いです。

 

代替案

それでも、自作薪ボイラーが欲しいとお考えの方にはブロアーの設置をお勧めします。

ブロアーを付けたボイラーならば煙突内部を高温に保つ必要も無く、機械的に水を昇温する事が出来ます。

 

さらに踏み込んで、薪ボイラーって薪を追加するのが面倒だから薪をやめてサラダ油等が燃料の廃油ボイラーを作れば、それこそ1晩中お湯を作り続ける事だって可能だ。

 

要は何らかの電気制御を追加すればハードルが格段に下がると言いたいです。

 

まとめ

僕の個人的考えだけど、薪を燃やして発生させた熱はストーブで使い切るのが一番良いと思っています。

なぜならお湯を沸かして床暖房に使える利便性よりも、薪の消費が少ない高燃費の方がメリットが大きいと考えるからです。

 

制作者の僕自身でも、完成したKD01を見ると一見簡単そうに見えますが,本当は微妙なバランスの上で性能が出るように各部の寸法を配慮しています。

ボイラーシステムなんかを組み込んでしまうと現時点での強みを全て殺してしまう事になるから、KD,SDシリーズに熱交換機を設置することはありません。

 

 

 

 

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