2017/08/11

大人になってからのやり直し数学

 
2年間継続した問題プリント

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中年の数学再入門

友人のブログに論理的思考を鍛えたければ、数学をする事が良い。と言う記事を読みとても共感しました。

ブログはこちら形式知化コンサルタント河村操のブログ

数学をすれば論理的思考を伸ばす事ができると、「数学、論理的思考」とググれば多くの人が述べており、僕もそうだと思います。

けれど、記事を書いている人は、学生時代からそこそこ数学が得意で、大人になって数学的思考の有効性に気付き、記事にしているんじゃ無いのかなと思いました。

 

自分の体験談

中学生から数学につまづき、数学を理解する事に憧れながらも、一生懸命日々の社会生活を送っていくうちに、歳をとってしまい、気がつけばもう40代。

人生の正午を迎え、憧れを放置して自分を納得させる良い言い訳を考えるのか、はたまた1からやり直すことでどのような変化が自分に起こるのか。

数学が全く出来ない中年おっさんが一念発起して数学に再挑戦した話を書きたいと思います。

 

20代の頃、分からない事が有る度に職人のオヤジに質問すると

「先ずは自分で考えてから質問するように。」と度々言われましたが、当時の私は考える事が全く出来ませんでした。

分からない→思考停止。 

矢印の部分に考えると言うプロセスを挟みたいのですが、頭の中には何も浮かばず、どうすれば考える事が出来るのかさっぱり分かりませんでした。

 

論理的思考が必要とされる訳

ビル・クリントン政権で労働労働長官を務めた経済学者ロバート・ライシュの著書「ザ・ワーク・オブ・ネーションズ」 (1991)では仕事は知識労働と、マックジョブに別れ、グローバル化が進めば労働集約的なマックジョブは新興国の低賃金との競争にさらされ、低賃金化、貧困化が進んで行くと言われた。

知識労働には文章作成能力と論理数学能力が必要とされ、知識者にはさらなる知識向上が必要になる。と今から25年も前に予言していた。

そこから20年後チャールズ・マレーの 階級「断絶」社会アメリカ 新上流と新下流の出現 の書籍でライシュの説を検証している。

そこで得たマレーの発見は、アメリカは知能の格差で社会が分断されていると言う事実だ。

統計的に得たデータを元にしているので、隣人、友人知人の話では無く母集団から抽出した標本を元にデータの傾向をまとめているに過ぎないが、マックジョブに従事する人は低賃金で、貧困家庭が多くすむ地区にまとまって住み、現状から抜け出す方策も少ないと言う。

 

何故なら、現代社会は「知識労働」社会だからだ。

そして「知識労働社会」で戦っていく時に大きな武器になるのが「数学的論理思考」だ。

なので、論理的思考を身につけるのに数学をするのが早道なら、やってみる価値はあるかも知れない。

数学のやり直し

数学勉強前の私

大人になっても数学への憧れがありました。

理由なんか有りません、ただ分かるようになりたいと思っていました。

憧れはありますが、当時の私は2桁の足し算すら電卓に頼り、数値の短期記憶も全く出来ませんでした。

それ以外にも、人のプレゼンを聞いても音声は耳に入って来ますが、話している説明を理解する事が出来ませんでした。

文章も難解になってくると、文字を目で追い黙読は出来ても、著者が意図している主張を自分のイメージで理解する事が出来ませんでした。

仕事では、全く未経験でも自分なりの推理に基づく行動が求められる場面があっても、一旦分からない事にぶつかると「分からない」の無限ループにはまって抜け出せなかったです。

 

自分は何が分からなくてつまずいているのか、それ自体理解出来ませんでした

 

33歳で入学した放送大学でも、初歩の数学科目を幾つか取りましたが、初歩なのに全く理解出来ず答えを丸暗記して何とか単位を取ったり、そもそも単位取得を諦めたり。

毎年春になれば、勉強を始めようと言う気分になって、高校の問題集「チャート式問題集」黄色、数Ⅰの最初の単元「因数分解」から問題を解こうと挑戦しますが、簡単な計算ミスと、書いている解説自体を理解出来なくて梅雨を過ぎる頃には挫折しました。

要はアホやったと言う事です

考えようとしても、頭の中にもやが掛かって動かない、理解したいけれど分からないと言う苦しい時期でした。

課題や、イメージを膨らませようと思って目をつぶっても、頭の中がズイーンと重くなって石ころが詰まって居る様な、言い方を変えればお酒を飲んだあと机に向かい勉強する様な感じが近いかも知れません。

また、大学院のOB有志で自主勉強会を開催しチームビルディングが必要な時にも、因子分析や主要因分析、回帰解析でlogを底に取った場合は解釈が線形モデルとは異なる等、勉強を勧める上で前提となる概念の解釈が分かりませんでした。

大してお役に立つ事が出来ず申し訳無かったです。

 

勉強のやり直しで直面する3つのハードル

①行動を起こす事

それは2014年の2月、何となく今まで我流で駄目だったので違うアプローチで試そうという考えが頭に思い浮かびました。

アプローチを模索する中、知人の娘さんが「公文式に通い数学が得意になった」と言う話を思い出し、それなら数学が全く出来ない私も公文式に通えば数学が出来る様になるんじゃ無いかと単純に考えた事がその後を大きく変える事になろうとは・・・

公文が気になったので、大人でも通う人が居るのか検索しても参考になる情報を得る事もが出来ませんでした。唯一の方法は自分の目で確かめるしかありません。

 

しかしですよ、イメージの世界ですが、公文式って小学生の子供が通う地域の学習塾で、子供が真剣に机を囲んでプリントをしている教室に、中年の大人が一人紛れ込んで勉強をやり直すなんて恥ずかしいと思いました。

勉強が出来ない自分を見られるのも、子供を迎えにくる父兄に見られるのも。いずれにせよしょうも無い見栄が邪魔して教室の門を叩く事をとってもためらいました。

 

しかし、そのまま何も行動を起こす事無く時間を浪費する事が嫌で、3月の無料体験を、お試しでやって見ようと決意して近所の教室にアポを取ってみました。

1件目

ネットで検索して申し込みましたが、「大人には対応していません」とお断りされました。教室によって色々あるようです。

2件目

2番目に申し込んだ教室が、自宅から一番近い教室です。

地域の老舗的な教室で、開業される指導者を指導されるようなベテラン指導者が運営している教室だったので受け入れてもらう事が出来ました。

 

さあ、これで40歳からの公文式がスタートします

 

入塾テスト

最初中学修了レベルの数学テストを受けました。

その結果でスタートするレベルが決まります。

私の結果は100点満点中10点台だったと記憶しています。

先生は気を遣って「忘れているだけですよね」と声をかけて下さいましたが、忘れているのでは無く、分からないまま放置している結果でした。

テスト中は、頭がズイーンと重く、もの凄く眠くなりとても辛かったです。

テストの結果から導き出された私のスタートラインは

小学校1年生

1+1=2 の世界です。

公文では早い子供なら幼児がお母さんとしてます。

ええ!!そんな所まで戻ってスタートかーと思う反面、自分が分かる所で良かったと安堵しました。

そして、2014年の3月、私の公文生活が始まりました

 

②タイムマネジメント

自営業で事業を営み、家族も居るので自分の勝手で自由な時間を作ることは出来ません。

社会人で勉強を再開する時に色々な障害がありますが、まず時間の捻出が一苦労だと思います。

私は手帳の見開きに1週間の行動記録をメモ書きして、勉強に充て事ができる時間を可視化しました。私の場合午後9時~11時の2時間位勉強時間を作れそうだと分かり、スケジュールを組むようにしました。

そして、夜間の時間を勉強に費やすには、それまでの行動を変えて時間を作らなくてはなりません。

私の場合、晩酌をスッパリと止めました。

1つの事を始めるには、何かを手放さないと結局どちらも手に入れる事が出来ません。

③継続

行動を起こして、タイムマネジメントを組んで勉強のやり直しをスタートしても一番の難関が「継続」

独学で一からやり直し、何年にもわたって自習出来る方もいると思いますが、私は無理です。

自分に弱く、誘惑にすぐ負けてしまう私は、何らかの強制力を持った場所に自分を置かないとあっという間に自堕落のぬるま湯に浸ってしまう自信があります。

仕事や家庭、その他諸々のタスクをこなしながら、苦行にも似た数学を淡々とこなすというのは非常にハードルが高いと思います。

公文式は週2回宿題の提出日があるので、量の変動はあっても、とにかく宿題を提出しなくちゃならないという強制力が僕には合っていました。

 

勉強の過程

つまずいた所まで戻る重要性

数学のやり直しでいきなり高校数学からしていた事が大きな間違いでした。

数学は積み重ねの学問なので、一旦つまずくとその後は挽回する事が出来ません。

なので、つまづいた所まで戻る事が遠回りのみたいだけど一番の近道だと初めて知りました。

微積をやっても結局は四則演算が正確に出来ないと回答出来ないし、正確な四則演算のどだいがあってこその数学やり直しだと分かりました。

お恥ずかしい話、僕の場合九九すら半分位忘れてました。

なので小学校過程からやり直したのは良い指導だったと思います。

公文式は微積が理解出来る様になる為にコンテンツが整備されているので、プリントを進めて行くと知らない間に先に必要になる力を身につける事が出来ます。

 

効果が実感出来ない中での葛藤

公文開始から半年で高校過程まで進む事が出来ました。その間ほぼ毎日2時間以上ずっと数学をしました。

 

高校過程に進むと難易度のギアが2つ位あがって、回答するまでに必要になる時間が中学課程の倍以上必要になりました。

そして、基本プリントを解く自習なので少しでも難しいと感じるとパタリと手が止まります。

私は一旦自分で決めた事は、納得するまでやり抜く自信があるのですが、高校過程に入ってからやく1年半ずっと苦しかったです。

楽観的観測では、勉強を続けると数学の能力が磨かれ、最初は苦しく感じる数学の勉強が知らない間に楽になってスラスラ解答出来る程、頭が良くなるはずでした。

しかし現実は終わる事の無い、分からない事を必死で理解しなければならない苦行が終わる事無く続きました。

微積を終了し、やっと次の単元に進んでも数列で苦しみ、2年間自分自身の成長を実感する事無くただひたすら数学の問題を解く事にリソースを投入しました。

 

そもそも、数学の素養が全く無い中での勉強だったので、知らない事を一から学ぶって苦しい事が普通かと思いますが、当時は成長を全く感じる事が出来ず辛かったです。

しかし、一度終了した単元を復習すると、1回目より楽に理解出来るので、そのことが嬉しくて継続する事が出来ました。

 

勉強3年目

数学の勉強を再開して丸々2年目が過ぎた頃、一旦休憩して英語を始めたいと思いました。

英語も中学レベルすら理解していなかったのですが、その話はまた別の機会に書きたいと思います。

 

英語の勉強を初めて気付いた事が有ります

理解力が上がっていたのです

以前は文字を読めても理解出来なかった参考書や、教本に書かれている説明を、しっかりと理解出来る様になっていました。

勉強の順序が逆で、英語を先にしているとすんなりと理解出来る事は出来なかったと思います。

「分かる」と「出来る」の違い

英語の合間に時間を区切って数学の問題集を解く事があります。

以前は「分かる」レベルでした。

問題を見て、回答を読み「ふん、ふん」と文字を目でなぞりながら読書する感覚です。

いまは全ての単元ではありませんが、「頭の中にイメージ」が湧きます

数列や、三角関数は数式を眺めているとイメージが頭の中に浮かんでくる事があります。

たぶんこれが「出来る」状態だと思います。

文章と同じで、数字で事象を表現すれば数式になるのかと感じました。

意味の無い数字の羅列の記憶は不得手ですが、数式を写真見たいにイメージで捉える事が出来る様になると、代数に文字を入れるだけで勝手に答えが出てくるので楽しいです。

2年半前まで九九を忘れ、2桁の足し算すら出来なかった私にとって大きな進歩です。

数学ってイメージなんだ!

それが分かったら、パズルを解くようで楽しいです。

サヴァン症候群の天才少年がTEDで数学について語るプレゼンを見た時、彼は四則演算を万華鏡の様な映像をイメージして解くと語っていましたが、レベルの差はあるにせよ文字からイメージを想起する事は重要だと言う事を感覚として体験できた。

 

まとめ

数学をやり直すことはとても良い事だと思います。

論理的思考や、イメージの活性化など欲しい成果を得る可能性が高いです。

素養が全く無かったので、私の場合ほぼ毎日2時間を2年費やす事で以前より少しだけ頭が働くようになりました。

本当に、膨大なリソースの投入が必要です。

そして、成果がいつ現れるのかも分からない。

そもそも、成果を目的にすると結果を認知出来るまで時間が掛かるので、苦しくて続ける事が難しいんじゃないかな。

僕の場合、分からなかった数学が分かるようになる楽しさに魅了されました。

 

イメージで情報を処理出来るようになると

全く異なる事象でも共通のパターンを見つけて推理できる様になったり。

何が分からなくてタスクの進行が止まっているのか認知出来たり。

知らない事でも、視点を切り替えて理解する努力が出来る様になったり

以前の私なら全く出来なかった事が出来るようになりました。

 

勉強方法につまずいて、望む成果が現れない時は2つの方法を同時進行でする事が効果的だと私の経験上思う様になりました。

  1. テンションが上がる自分に合った方法を探す
  2. ひたすら継続する

今は英語の勉強の合間に統計の本をぱらぱらと読み返しています。

昔理解出来なかった事が分かる様になった瞬間、何とも言えない小さな喜びがわき上がります。

俺って変態なのかな?

 

 

 

 

 

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