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薪ストーブ自作最初の一歩

 
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薪ストーブを作り始めてから、あっという間に2年が経ちました。本当にたくさんの失敗を経験して、最近うっすらと自分なりの方法論を感じる事が出来るようになりました。

全く未経験から薪ストーブの製造を始めたので、最初は何が何だか全く分かりませんでした。

製作のヒントを求め、ネットで収集できる情報を自分なりに検索して、作りに活かせないかと多くの時間を使いましたが、設計の意図を理解できなかったので沢山の失敗作をつくる事になりました。

自作を始めるきっかけ

SCAN CI

SCAN CI

当時は原油価格が高騰しており、すきま風がビュービュー吹き抜ける自社工場の暖房に燃料になる薪だけ用意出来れば、無料で冬の間はぬくぬく過ごせるのでは!と安易に考えたのがその後の行動を大きく変えるとは・・・

燃料を無料で調達する前に、ストーブを用意する必要があったので近所の薪ストーブショップに並んでいる一番安い薪ストーブを導入しました。

それでも26万円。本体を買うだけではなんの役にも立たず、薪を集め、煙突を設置してふと我に返り、灯油を買った方が安いのでは。と遅いですが少し後悔しました。

お金だけ考えると、労力も含めたトータルの出費は灯油の方が断然安いとおもいます。

薪を燃やして、エコでエコノミーな暖房だと幻想を抱いて導入すると、最初のシーズンで幻想が吹き飛んでしまうかも知れません。

ストーブを設置してしばらくは嬉しくて、揺れる炎に見とれ満足していました。

導入の感動も次第に薄れ馴れてくると、嬉しくて仕方なかった薪ストーブの不満点が気になり始めました。

それはだだっ広い工場に対してストーブが小さく、めちゃ近くに寄らないと暖かさを感じる事が出来ないと言う事です。

しかし、何十万円もした暖房器具を、1シーズンで気安く買い換えるの事も出来ないし。。

それならば自分の溶接技術を活かして、もっと大きな薪ストーブを自作して見ようと思ったの薪ストーブ製造を始めたきっかけです。

 

薪ストーブの図面

原寸

素人目には鉄の箱で勢いよく木が燃える。ただそれだけの箱を作れば良いと安易に考え挑戦しました。

最初に作ったbox型ストーブは手元にあるSCANの構造を参考にしました。

ノートに鉛筆で構想図を書いた後、原寸を下ろして実際の大きさをイメージしました。

原寸で干渉等チェックした後、CADで部品図をトレースして部品を注文しました。

これを作った当時は薪ストーブ製造のノウハウは全く無かったです。

なにが一番分からなかったかと言うと、燃焼に必要な空気の量がまったく見当がつかず、どの位の大きさの吸気口が適切なのか五里霧中でした。

 

作るからには市販品の様に ゆらゆら揺れる炎を見たいと思っていたのですが、なぜそのような燃焼になるのかも分かっていませんでした。

要は全くのド素人ってことですね。

材料の仮組

材料

トレースした図面を切断と曲げ加工に出しました。

納品された部品に耐火レンガのフッティングをしてみました。側面の耐火レンガがしっかりフィットしたので一安心です。

燃焼部分は高温になって、本体のさびも進行しやすいから耐火レンガで保護しましす。規格品の半分の厚みを選択しました。

簡単に入手できるのなら、メーカー製の薪ストーブに採用されているバーミキュラボードを使ってみたいのです。

 

正面の部品を後ろから撮影

フロント後ろ

この部分はフロント窓ガラス曇り止めにとても大切な部分になります。 四角の角パイプ部分を2次燃焼した高温のガスが通過する事により窓ガラスへ予熱した空気を吹き付けて、窓ガラスの温度低下を防ぐと同時に、炉内への吸気温度を高くする役目があります。角パイプから斜めに出っ張った三角部分先端からエアシャワーが窓ガラスへ吹き付けます。

 この役目を予熱、またはプレヒートと呼びます。プレヒートに関する記事はこちら

本体の仮組

正面裏

先ほどの正面部品と本体を仮組みして天井部分の面が一致するか確認します

天井部分が面一にならないと、天板から煙が漏れ出すのでしっかりと平面を出さなければいけません。

これについての詳細な記事はこちら

2次燃焼空気導入口を本体に取り付ける

組み付け

本体の後ろからも予熱した空気を導入して、可燃性ガス給気することにより2次燃焼を発生させます。

この工程は溶接が主な作業なので、難易度は高くありません。写真に写っているフロントドアの取っ手は、ガスケットのたわみで扉を閉めたクリック感が出るように微妙な寸法調整が必要でした

この工程の詳しい記事はこちら

2次燃焼の詳しい原理はこちら

完成後の試運転

初号機

初号機

初めて作った薪ストーブなので、ちゃんと燃えるか心配しました。しかし何のトラブルも無く普通に燃焼たので嬉しかったです。

 

初めて完成したうれしさで、意味も無く毎日せっせと燃焼テストをしていました。

最初は勢いよく燃えるだけで嬉しかったですが、長期間テストを重ねると燃焼する炎が今ひとつ理想通りでは無いと感じるようになりました。

その理由は

友人宅の薪ストーブはゆらゆら揺れるオーロラ燃焼が長時間続くのに、僕の作った薪ストーブは長時間のオーロラを発生する事が出来ませんでした。

燃焼のピークを過ぎると炭がストーブの内部に発生するのですが、友人宅の薪ストーブは炭が真っ赤に燃え上がって暖かいのに、私のストーブは炭が燃え上がる事無く、ストーブの中に残ってしまいました。

 

ロケットストーブの開発

通常型の薪ストーブは先行する多くのビルダーさんがいるので、隙間時間を利用して室内設置型のロケットストーブ開発に着手しました。

通常の薪ストーブは空気を沢山供給すると、すぐに薪が無くなってしまう事に困っていました。 特に仕事中、してうっかり薪の補給を忘れてしまい休憩時間に暖房を取ろうと思ったら火が消えていて、寒さに震えたことが何度もありました。

ロケットストーブを完成させてからはその様な事は無くなったので運用が以前と比較してとても楽です。

高価な輸入品と遜色ない性能を狙っています。

詳しい記事はこちら

 

 

 

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