被災した時、一番必要になるトイレを自作した話
僕は成人式の2日後に阪神淡路大震災を経験しました。 当時の居住地が被災中心街から少し離れた西側だったのでライフラインの停止には直面しなかったけど、知人友人の多くは避難所暮らしを強いられていました。
ここ最近は2018年広島県豪雨災害、大阪府北部地震、千葉県での台風被害など以前とは全く異なる頻度で自然災害が頻発しており、その度に行政が準備した避難所に退避する映像をテレビで見るのが普通になってきました。
しかしコロナウイルスで人との接触を避けなければいけない状況下で有っても、自然が猛威を振るうのを待ってくれるわけでは無く今年も大雨なぞが来襲するんじゃないかと予想するので、自治体のハザードマップを確認して、1M以上の水位ならばすっぱりあきらめると決め先月から鋼材で架台を作り工場で使っている道工具の地上げに着手しました。
そして被災した時に困ることで有る事の一つがトイレ問題だと思います。
携帯用トイレで対応する
我が家はオリジナルの非常用持ち出し袋を作っており、トイレ問題はアマゾンで買った固めるテンプルのトイレ版みたいな対応する予定です。 しかし回数は50回限定。この回数だと家族全員が使うとあっという間に使い切ってしまう事は自明です。
そう言った訳で、以前から興味のあったコンポストトイレと言う物でトイレの使用回数制限を回避できるか調べてみました。
コンポストトイレの自作に着手する
数年前、ウンチについて真面目に書かれた「くうねるのぐそ」を読んだ時から、都会では汚れたものと忌嫌われ、蛇蝎の如く無き者扱いを受けるウンチが、自然界を生きる生物にとっては栄養価満点のご馳走であると記述されていたことを自分なりに確認したいと思っていました。
とは言えいくら何でも、僕がマンションの花壇で野糞をして確認する訳にもいかないから排泄物をたい肥化するコンポストトイレを試して見ようと思った次第です。
ネットで検索すればそこそこ情報も豊富で、要はウンチとおしっこを混ぜるから悪臭が発生するので大小を分離するセパレーターを使いウンチは腐葉土やもみ殻等に混ぜ込み無臭化→数か月放置の後たい肥化。
おしっこは容器に貯めて数倍に薄めて液肥に使うか、下水にて処理のシステムを構築すれば良いみたい。
こういった情報は海外の方が豊富で、イギリスのサイトを見ると送料込み4000円位でおしっこセパレーターを売っていたから、経験者や時間に余裕のある方は個人輸入するのも良いかと思います。一応参考までにサイトのリンクを貼っときます
幾つかのサイトを見て気づいたのはおしっこの分離をしっかり行い、なるべくウンチをドライ状態に持ってゆくことが大切で、そのために尿セパレータの形状は本当に色々試されています。
そんでもって、なるべく簡単に&時間をかけたくない僕は国内で販売されているキットの購入で対応する事を決めました。
購入先はここ
ここで販売されているトイレ自作用DIYキット¥39800に目星を付けました。
コンポストトイレrelifeは、広島でオンドル製作の時に宿泊した山田君の家にも有ったトイレで、初めて見た時からなんとなく気になっていました。
今回購入前に実際に使っている山田君に電話で気を付けるポイントを相談すると、
「とにかくシンプルにするのが便利」
「ほんと便座を乗っけるだけとかの方が使い勝手が良い」
「あんまり凝った事すると、取り換えが面倒なので逆効果」
など実際に運用している人の有難い経験則をアドバイスしてもらったのでなるべくシンプルに作ることを決意しました。
製作
キットには手動生ごみ処理機の自然にかえる君と大小分離セパレータ、そしてラチェットハンドルが入っています。
先ずは大小分離セパレータははまり込む枠を作って行きます。
セパレーターを裏返し、鉛筆でマーキングした後ジグソーで切り抜きます。
そのままではセパレーターが浮き上がるので、沈み込みを作ります
のみで削ろうと思ったけど、数回削った時点で僕の腕じゃ時間が掛かって仕方ないと悟り工具をサンダーにスイッチ。
あっという間に切り込みを入れる事が完了しました。
そして工場のトイレをウォシュレットに交換したけど廃棄せずに保管していたINAXの便座を載せてみた所、ちょうどヒンジの部分が板の端に掛かってしまう事が判明。
木材だけじゃヒンジの荷重で割れてしまうかも知れないから工場に有ったSUSの残材で木のフレームを挟み込む構造にしてみました。
ステンレスの板厚分だけ木を削り込みます。
完成がこちら、何の違和感も感じないし強度もでたので良しとします。
完成した大小分離セパレータをセットした便座を、プラスチック製の撹拌機に乗っけるだけの簡単装置が出来上がりました。
完成
先ずは生ごみ処理機の蓋を外して便座を用意します。
そこにセパレーターをセットします。
あとは便座を閉めて使えば快適に使える…はず!
製作時間はわずか2時間ほど、キット以外は工場に在庫していた材料なので追加費用は一切発生しなかったです。
まとめ
実際に使う場合は、ビーチで更衣室に使うワンタッチテントを買ったからその中に置いて使えばよいかと思っています。
未だ実際に使って無いから使用感は不明ながら、多分うまく行くと勝手に判断してしばらく放置しています。
非常用コンポストトイレとして使うのはいつの日になるのか分からないから、普段はベランダで生ごみ処理機として利用してプランター菜園のたい肥製造機として活用してゆこうと思っています。
使わない日が来ないかも知れないけど、もしもに備え準備しておくことに無駄は無いし、気になる事を実行して新たな知見を得る事は楽しいものです。