遮熱板の実験
今年が始まって早くも1週間が過ぎ去ったのですね。
今週は仕事はじめと言う事も有り、来月に納品するお客様の新築現場へ下見に行ったり、乗り換える軽トラの下見に行ったりなどを繰り返しているとあっという間に1週間が過ぎ去ってしまいました。
本体トップの遮熱板
2月に納品するお客様の住宅は、ストーブ背面に採光用の窓が有る設計なので天井まで遮熱板を立ち上げる事が出来ません。
ヒミエルストーブのKD01は本体周囲の放熱を遮熱板で遮っているので壁への輻射熱は低減出来ているのですが、天板から物凄い輻射熱を発生させることが可能となっているので、新築の方には天井まで遮熱板を伸ばす事をお勧めさせてもらっています。
普通に巡行運転する使用方法であれば大丈夫なのですが、天板が赤くなるくらい強力な炎で運用すると、手をかざす事が出来ない位熱くなります。
ですのでより一層の安全を確保するため、基本的に8尺程度の高さをご案内するのですが今回は採光窓が有るので施工出来ません。
そういった訳で、本体天板を半分程度覆う遮熱板を作って使用状況に応じて脱着若しくはスライドして頂く事でお客様にはご納得頂きました。
遮熱方法の実験
先ず最初は一番簡単な厚み3.2mmの鉄板で遮熱してみると、熱で曲がってしまうし手を触れる事が出来ない位熱くなるので速攻ボツ!
鉄板が分厚いと熱を貯めちゃうからよろしく有りません。
それが分かっただけでも一歩前進です。
その次は遮熱によく使うケイカル板を天板に乗せました。
すると一番熱くなる部分を中心にヒビが入るじゃないですか!
まぐれかと思ったのでもう一度別の板を準備したところ、同じように割れちゃったのでケイカル板は不燃材だけど熱によりヒビが発生する事が判明。
一極加熱で割れちゃうからこの様な使用方法は不可と分かった事でまた一歩前進です。
本命はブリキ板
じつはピザを焼くときに、鉄板じゃなくて板厚の薄いブリキを使う方法を去年発見しました。
鉄板だと重いし、熱くなるので革手袋で出し入れするのも危険です。
その為に取っ手もつくりましたが、やっぱり手袋で気軽に出来ない物かとあれこれ試した所ホームセンターで購入したブリキ板を使う事が一番便利だと判明したのです。
板厚が薄いので熱を本体にため込まず熱くならないし、ヒズミ量も少ない、そして軽いと3拍子揃った素材です。
1枚だけだと熱さを感じますが、2枚重ねて途中空気層を作ってやれば鉄板が真っ赤になるくらい昇温していても、上側のブリキは素手で触れるくらい温度が低いです。
放射温度計で測定したところ90度位でしたが、素手で触ることが可能でした。
まとめ
今回の実験から分かる事は
遮熱と言えば分厚い鉄板なんかで熱を遮るとイメージしがちだけど、輻射熱に関しては板厚の薄いブリキなどで熱線を遮ることで効果的な遮熱を実現する事ができると言う事です。
ブリキの耐久性を確認する為、3日連続でストーブトップに載せて加熱しましたが全く問題有りませんでした。
これで素材の選定はできたので、次は意匠設計のフェーズに入ります。