ヒミエルストーブ

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歴史を感じる寺院へ下見に行く

 
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2020年最後の現地下見は兵庫県豊岡市出石町にある経王寺様へ行ってきました。

但馬の小京都と言われる出石町にあるお城、出石城主の菩提寺だそうで本堂はびっくりするくらい大きかったです。

 

クリスマスに工場へ見学にお越し下さり、じっくり現物を見学頂いた後の現地調査と言う訳です。

今回設置する場所は、お上人様が陶芸作業を行う作業小屋兼車庫の平家でして

過去最高にスペースの制約が大きく、いくつか改造及び機能が成立するのかの実験と検証が必要になってきます。

平家の設置場所

境内入り口から向かって右側に見えます平家が今回の設置場所。

現在は壁出しの煙突が設置されています。

境内側から見るとこのような感じ。

中には但馬地方を中心し活躍されている刃物屋さんが製造しているオリジナルストーブが鎮座していました。

数年前にwebで存在は知っていましたし、少し離れたお蕎麦屋さんで違うモデルを見たことはあるのですがしっかりと燃えているのを見たのは初めてです。

設置場所の確認

ストーブの左側は陶芸作品を乾燥させる棚になっており、通路の確保が必須になってます。

作業エリアのど真ん中にストーブを設置するので、なるべく突起を削減してお部屋空間の確保をご希望されております。

取っ手などは形状を直ぐに調整して答えを出す事が出来ます。

 

しかし、燃焼性能に関する改造は実験と検証が必要なため答えをその場で出す事が出来ず、とにかくプランニング及び仮説の検証を実行しますとお約束する事が精一杯でした。

 

設置に関して一番大きな避ける事のできない制約は、屋根の桁と内屋根の梁位置で、屋根裏に登り位置関係をスケッチしました。

そして、室内から見える梁と柱を手がかりに頭上の構造物骨組みをテープで床面に写し本体の設置イメージをマスキングテープで表します。

 

課題

1)煙突取り出し位置の変更

希望する場所へ設置する為には、煙突取り出し位置を本体中心ではなく背面の外側へ移動する事が必要になるので、設計の変更を行います。

この様に本体の外側へ煙突心をオフセットする事により煙突中心にしか設置出来ない制約を回避します。

 

 

 2) 外気導入

現状では、お部屋の隙間から冷気がストーブに向かい吸い込まれるので外気導入をご希望されました。

しかし、設置場所は室内のど真ん中。 

過去事例だと、床面を切削してくださいとお願いしましたが今回は外気と繋がっている内屋根からの吸気を施主様からご希望されました。

この様にチムニーボックスを避ける様吸気ダクトを屋根裏より導き、更に室内空気との切り替えも設けます。

人が通行する場所は切り替えハンドル等が邪魔になって設置する事が出来ないので、頭の高さより高い位置に切り替えを取り付けようかと思っています。

 

吸気の検証

そもそも、高い位置から空気を吸うのかなんて僕の知人に聞いてみた所、誰もやった事が無いしうまく行くかも知らないとの事なので、設計図とは異なりますが在庫部品で吸気実験してみました。

そして気になる結果は…

ばっちり吸い込みます。

但し焚き付けの時は吸い込む力が弱いので、炎が大きくなりやすい小割の薪でパッと温度を上げる運用が必要になります。

大きめの薪で昇温がもたつけば、吸気抵抗が大きいのでいつまでたっても大きな炎になりません。

構造の制約を使用者の操作でカバーして運用するイメージでしょうか。

 

ここまでは工場の在庫部品で検証出来ましたが、ここから先は部品購入を伴いますので施主様へ追加オプション扱いになり、費用が発生しますが大丈夫でしょうかと確認の上作業を進めて行きます。

 

差圧計の設置

差圧計の設置もご希望なので、どこに設置するか悩んでいました。

この場合2重煙突に穴を開けて圧力を検出していますが、さすがに製品のど真ん中へ穴を開けて納品する訳には行かないしどうした物かと思っていると、素敵なアイデアが降ってきたのです。

 

それは、T管の蓋へ圧力取り出しの穴を開けると言う事です。

上手くいくかは未知数なので、まずは鉄板を丸く切って実験です。

 

まとめ

自分では全く思いつかないご希望を頂いた時は、解法をすぐには思いつかないしご希望の状態が成立するかも未知数です。

未経験の事なので結果が分からないのは自明です。

 

そして、欲しいゴールが有ってそこまでの経路が不明な場合、僕が出来る事と言えば仮説の設定と検証しかありません。

物を仕入れて販売しているのではないからこそ可能な事なので、今後も難題は歓迎します。

 

今年は納品が詰まっているので、実験に費やす事ができる時間に制約が有りますがしっかりとスケジュールを組み立てて更なるスキルアップに励みたいと思います。

 

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