ロケットストーブ自作 その2
結論)ベンチュリー効果を利用するとロケットストーブの性能が格段に進化する。
冷え込む野外での暖房に、運びやすいアウトドア向けロケットストーブを作り、冷たい風が吹きすさぶ、今年一番の冷え込みの日に検証を行った。本当なら製作者である私がつきっきりでいろんなパターンの燃焼を行い、どのように燃えるのか確認するのだけれど、生憎その日は立木の伐採に夢中になってしまいストーブのテストだけで無く、写真すらも取り忘れた。
現場で火の番をしてくれた方に確認した所「暖かさは十分でした」と連絡頂けたので、ひとまず安心しました。けれど、自分の目で実際に燃えている状態を見るまでは安心できないので、早速燃焼実験を行った。結果は・・・まったく満足のいくレベルに達していない。 たしかに、そこそこ暖かい。けれど、私が求めるのはゴーゴーと強力に吸引し、小さな見かけからは想像出来ない強烈な熱量を発する。そんなロケットストーブを作りたいので、全然駄目だと思った。
不満点をあげると、空気の吸引が弱い。だから力強く炎が燃え上がらない。
この2点を満足いくレベルまで改善するにはどうすればよいのかまったく見当が付かなかった。最初に思いついた改造は、燃焼室の断熱化だ。ロケットストーブの基本形は燃焼質を断熱しているので、燃焼室を2重構造で断熱すれば、上昇する空気の力が大きくなるのでは無いかと考えた。 けれども、2重にして断熱材を充填するとなれば、鋼材の手配、加工などの手間が凄く面倒に感じ、なかなかやる気スイッチが入らなかった。
そして、今日ふと頭の中に韓国のオンドルは焚き口の先を意図的に絞り込んでベンチュリー効果を狙っている図面を思い出したので、その構造を真似て見る事にした。改造に必要な手間は少なく、あっという間に改造は完了。ついでにロストルも薪の下に沢山の空気が流れるようにパンチングメタルで作り直した。
そして実験を行ってみると、以前のだるい吸引力とはまったく別物の、グオーッと力図良く炎を煙突に吸い込んでいくではないか。そして燃焼室、ペール缶、煙突から猛烈に熱気を感じる。 これだ、これが私の欲しかったロケットストーブの形だと感動した。 けれど、これが本当に一番効率的な形状なのか比較対象を作り検証していないので、同一の構造で3パターンほど部品を試作して燃焼実験を行い、最適な形を見つけ出した。 強力に燃え上がるので、節のある太い薪も簡単に燃え上がる。
使い勝手、モバイル性、暖かさのバランスが良くお気に入りの1台に変身した。