ロケットストーブも場所を選んで使いましょうと言うお話し
冬の間、自分の工場で灯油ストーブの代わりに薪ストーブを使い始めたけれど、家庭用サイズの薪ストーブではちっとも暖かく無かったのが自作を始めるきっかけだった。
私の工場は天井が10M位あり、スレートの間からすきま風がピューピュー吹き抜ける無断熱、低気密な場所ですが、何でリビングで緩やかに薪ストーブの暖かさを感じる環境を再現出来ないのか不思議だった。
そんな中 前 真之著「エコハウスのウソ」増補改訂版を読んで暖房と部屋の気密、断熱のバランスがとっても大切だと知りまた、薪ストーブに関する項目もあり、この本を読むまではストーブの事ばかりに目が行っていたけれど、設置する環境とのバランスが大切だと理解出来たので、本当に価値ある1冊です。
そして本を読んだ後、自社工場の薪ストーブ選択を振り返ってみると、どんな暖房器具であろうと家庭のリビングの様な暖かさを再現出来る事なんか到底無理だとやっと分かった。
そして、低燃費、煙突はシングルでOK、とても暖かいと言われるロケットストーブなら近くにいる時には十分な暖房が取れるかな。と考え我流を積み重ね失敗続きだったロケットストーブの製作に再度取りかかった。
出来上がって工場で試運転すると、そこそこ暖かく久しぶりにすんなりと結果が出た。私は嬉しくなり、所属する薪割集団「ランバージャックス」の原木伐採集会に勇んで持参した。
伐採当日は、今年一番寒い日で、よっしゃー ロケットストーブでばっちり暖房取れるかな。とか内心考えながらストーブに点火した。
薪ストーブより討伐作業に夢中になり性能を実際に確認出来なかったので後日改めて野外で実験してみた。
すると・・・
まったく暖かく無い! 何故 Why? Why?
確か数週間前、工場で実験した時には暖かさに歓喜した喜びはぬか喜びだったのか?
理由の見当が付かなかったので、もっとストーブを暖かくすれば良いのかと思い、燃焼室の形状変更、煙道の一部を絞り込んで流速が上がる様に改造等思いつく改善を行い再び工場で実験して、第二回原木討伐会にリベンジに向かった。
2回目の現場デビューの日は冷たい風が容赦なく吹き付け、活躍するにはうってつけの天候だった。
しかし・・・
まったく暖かく無い
いくら薪を燃やしても、吹きすさぶ北風が暖まった熱気を一瞬にして奪い去るので全然暖かくなかった。煙突の下からもの凄い量の木酢液が出てくるので熱交換はしっかり行われている見たいだけど、寒い中、暖かく無いストーブを目の前にして落ち込んでしまいました。
暖かくない理由が分からなかったから。
必死になって色々情報を探し、理由はずっと前に発行されていた本「ロケットストーブマニュアル本」日本ロケットストーブ普及協会編集(現在 絶版) に記載されているのを見つけました。
気密の低い環境では“他のバリエーションを考えた方が良いでしょう“(P44より引用一部要約)
最初工場で実験して暖かさに喜んだのは、工場の中に本体を置き、煙突だけ外に出した設置環境が良かっただけの話で
ロケットストーブは野外や、風が吹き抜ける場所には不向きだと言う事ですね!
ロケットストーブは万能の暖房器具では無くて、設置する場所との相性がとっても大切で、そのことを理解して使う事がもの凄く大切だと今は思います。
先にこの本を読んでいたら、こんな回り道を辿る事は無かったと思うし、人に聞かれても知ったような顔をしていたかも知れません。
けれども、実際に作り、実験し、駄目な所を考え、理由を探す中で知った情報は、何も行動を起こさずに情報ばっかり詳しくなるよりより深い所で問題の理由を理解出来るようになると思います。
これが全ての答えではありませんし、野外でも暖かいロケットストーブがあって私が知らないだけかも知れません。しかし、事例の一つ位にはなるでしょうか。
Comment
屋内でも屋外でも暖かいロケットストーブはあります。
教えて頂き有り難うございます。「かつぐち2号」は野外でも暖かかったです。