ヒミエルストーブ

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燃焼室に沢山燃え残りが残るのはなぜ?

 
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今年納品したお客様より「燃焼室に小指の先ほどの燃え残りが発生するのですが対策をアドバイス頂けませんでしょうか」とご連絡を頂きました。

工場でテストを行った時にはその様な事案が発生していなかったので、設置場所特有の構造が燃え残りの理由になっていると文面から推測しました。

 

燃え残りの炭発生問題

この課題はヒミエルストーブを作る前のクリーンバーン機を作っていた時から認識していました。

特にシングル煙突で壁抜き施工をした時には本当に悲惨で、厳冬期の風が強い日に薪ストーブを使うと燃焼のピークを越えたら熾火が鎮火してしまい薪を追加する程に大量の消し炭が溜まって行くと言うシャレにならない状況でした。

当時は原因を推測する力量が無かったので、ロストルを改善して何とか燃える様になったけど根本的な解決には至りませんでした。

 

しかし、間違っているかもしれないけど燃焼室に燃え残りが発生する現時点の考えを述べたいと思います。

煙突の引きが弱い

これは煙突がシングルで冷えてしまうか、煙突の総延長が短い、横引きが長いなどが原因となります。

特にKD01は吸気回路がSD01と比較して複雑なので、炭火になりドラフト圧が弱くなった状態で空気を引っ張る力が低下してしまい炭が残ると推測します。

 

自社工場ではその様な問題を認識していなかったのですが、川原薪ストーブ本舗様でお使い頂いているKD01の燃焼室に大量の炭が残ってしまう問題が発生し原因を掴めぬまま1年が経過したころ煙突を延長する事で問題を解決できたと言う記事を読んで原因の推測が確信に変わりました。

 

詳細は記事を読んで頂くとして、煙突を延長する事でドラフトが向上し炭火の発生が減少したと言う事実は僕に多くの知見を与えて下さいました。

 

吸気抵抗

煙突に問題がなくても、吸気に問題があれば炭の鎮火問題が発生すると考えます。

この現場は施主様のご希望で屋根裏から外気導入しています。

僕の推測なので実験を繰り返さないと断定はできないですが、この配管長や気象条件が吸気抵抗となってスムーズな空気の供給を妨げてしまい、炭火状態での鎮火理由になっているのでは無いかと推測しています。

あくまで推測なので、施主様へは一旦ジャバラを取り外して燃焼に違いが発生するのか比較実験をお願いしました。

 

まとめ

工場でテストをした時に全く問題が無くても、ユーザー様の元で色々問題が露見する事があります。

何事にも問題には理由が有るので、冷静に対処すれば何らかの突破口が見えてくるのだけど経験が浅い間は気持ちがテンパってしまい地に足が付きませんでした。

 

今まで振り返ってみれば、

煙の逆流発生

焚き付け時、燃焼室の結露発生からの漏水

燃え残り発生等、誰も教えてくれない状況で原因を考え対策を実施する事を繰り返して行く中で、自分なりに自信を持つ事が出来るようになり今は落ち着いて課題解決に取り組めるようになりました。

 

メーカー品を購入して取り次ぐだけであれば、多くの人が作っているクリーンバーン機を後追いで作るのであればここまで悩む事も無かったと思うけど今となってはこの経験こそが財産だと思える。

 

またいつか記事を書こうと思うけど、薪ストーブを仕事にするって自分で担う範囲を絞らないと結構大変。

デバイスを全くゼロから開発する事と、お客様の住宅に応じた性能を発揮する設計を行う事と、しっかり施工する事は全く異なるスキルが必要になるので全くの未経験者が参入するのは本当にハードルが高いと考えます。

僕もまだまだ勉強中だけど、何とか平静を保った状態で仕事出来るのは経験の蓄積があるからなのでご注文頂いたお客様には感謝でございます。

 

 

 

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