鳥取県に移動して新築ログハウスの下見をする
豊岡市で1泊した後は鳥取県に移動して新築ログハウスの下見と打ち合わせを行いました。
メールだけじゃ伝えにくい、現場だからこそ簡単に意思疎通のできるトピックを事前に準備していたので
施主様と大工さんが作業している現場で決定事項を確認しました。
木が収縮する問題
一番の問題はログハウスなので完成後2年間は木が収縮して約120㎜建物の高さが縮むそうです。
煙突の長さは変化しないのでブラケットが斜めに傾くだろうし、どうしようかとしばらく悩んでいるとアイデアの火花が脳裏をよぎったのです。
そうだ、スライド部分で逃がす事が出来ればいいのじゃない?
カタログに書いてある有効距離って参考になるけど、ジョイント部分の出っ張りがあるので現物を確認して移動距離に対応できるのか判断しなきゃだめなので、工場に帰ってからの宿題としました。
帰宅してスライドアダプタの移動量を確認していると、さらにもう一つアイデアが浮かびました。
2年間で120㎜縮むのであれば、上棟してから納品は1年以上後なので設置後の実質的移動距離は60㎜程度を考慮すればいいんじゃないの?と言う事です。
施主様にはスライドの伸縮距離の可否と納期までのタイムラグを見越した煙突設計を相談させて頂きました。
レスポンス問題
僕の弱点は注文が積み重なって納期が劇的に遅いことだと自認しています。
もうこればかりは本当に申し訳ございませんとしか言いようが有りません。
今回も施主様に謝罪させて頂きました。
しかし、奥様が「ウチは納期を気にしていませんから大丈夫です。それよりもレスポンスが早いのが良いです。」とお声がけ頂いちゃいました。
一言、嬉しい!
マイルールとして素早いレスポンスを心掛けているので本当に有難いお言葉です。
なぜヒミエルストーブ?
施主様に何故ヒミエルストーブを選んで頂けたのか質問させて頂きました。
自分が考える良かれと、周囲の人が見る僕の良い点は多くの場合ずれているので、とても大切な質問だと考えています。
そして印象に残っている回答は
「失敗も記事に書いて、それを踏まえて改善してゆくストーリーが良かったです。」
完成した物を提示して、はいこれが良いものです。では無く、失敗を経て改善していった一連の流れが良いとお話下さいました。
一言 嬉しい!
同じ様なお話は3月に納品した長野県のお客様にも頂きました。
前日に納品した経王寺のお上人様は、「ストーブの中身まで個人製作で公開しているのは西岡さんだけですよ」ともお話下さいました。
僕の販売チャネルはこのブログだけなので、自分の考え方がストレートに記事に現れます。
存在すら不明である他者からの模倣を恐れるばかりに守秘を優先していたら今の僕は無かったでしょう。
いくら製品の性能が良かったとしても、人は頭で論理的に考える思考より心の琴線にふれる共感に刺激が入力されなければ行動を起こす事が困難だと思うので今のスタンスで間違いないと確信が持てました。
機構的な優位性は模倣が簡単だけど、僕の様な小規模事業者にとって属人的な差別化こそが模倣困難な優位性であるのは間違い有りません。
しかし、自分が失敗を重ねて積み上げた知見を公開すると言うのは惜しいと感じるのも良くわかりますが、惜しいと感じるのは自分の妄想が9割と言う事を自認して気持ちよく記事を書いた方が精神衛生上良いと思い実行しています。
僕は知りたいと思う事を隠し、自社の製品アピールだけしている広告や記事を今ひとつ信用できません。
まとめ
今年はお部屋までの搬入で沢山経験を積ませて頂いたので、しっかりと搬入ルートを確認して現場を後にしました。
屋根材が仕上がり足場が残っている段階で煙突工事を実施するので8月中に再訪する事を楽しみに設計の詳細を詰めて行ければと思います。